シロアリは生命力と繁殖力に長けた害虫です。シロアリを放置してしまうと食害がどんどん進み、家の耐震性や資産価値にまで影響を及ぼす可能性も。被害が拡大し大切な家が手遅れになってしまわないためにもシロアリを発見した場合は、迅速かつ適切な対応が求められます。
万が一の際に冷静に対処できるよう、本記事では緊急対応方法について解説します。また被害状況の確認方法や業者依頼時の料金相場についても紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
シロアリが出たときの緊急対応方法
家の中でシロアリを見つけたら突然のことに驚いてしまい、正常な判断ができない方もいるかもしれません。しかしシロアリは大切な家屋を食べ荒らす危険な害虫ではあるものの、すぐに家が倒壊するようなことはないため、まずは落ち着いて対処することが大切です。応急処置として、次のような対応で駆除を試みましょう。
1匹から2匹程度のシロアリを発見した場合
シロアリは発見した際の数や状況によって、適切な対応方法が異なります。まずは発見したシロアリが1から2匹程度だった場合の応急処置方法を確認してみましょう。
掃除機で吸い込む
掃除機でシロアリを吸って駆除する方法は、安全面や衛生面の観点においてもおすすめです。ほとんどのシロアリは、掃除機で吸引されるときの衝撃や圧力により死んでしまいます。
また使用する掃除機は、紙パック式が好ましいでしょう。サイクロン式の掃除機はゴミを溜める部分にシロアリが張り付いてしまうため、清掃が大変になる可能性があります。
粘着テープで絡めとる
シロアリは動きが速い害虫ではありません。そのため粘着テープや粘着シートで絡めとって駆除するのも方法のひとつです。シロアリは皮膚呼吸していることから、ガムテープで絡めとると死んでしまいます。
ガムテープで駆除する方法は、掃除機が無いときや夜間で掃除機の音が気になる場合にも適しているほか、素手で触らずに済むので衛生面でも安心です。
侵入経路を塞ぐ
発見したシロアリを駆除できても、再びシロアリが発生する可能性があります。シロアリの侵入経路についてある程度目途が付いている場合は、侵入経路を防ぐ方法も有効です。
侵入経路にビニール袋を覆うように被せてテープで固定し、シロアリが袋に溜まるようにします。袋の中にシロアリが溜まっているのを確認できたら、口をしっかり縛って捨てるようにしましょう。
熱湯をかける
屋外や玄関、台所のシンクなどでシロアリを発見した場合は、熱湯をかけて対処する方法も良いでしょう。シロアリは約10~35度が活動公的温度と言われており、熱湯をかけることで駆除できます。
ただし熱湯によって火傷する恐れがあるほか、床材や壁に熱湯がかかると素材が変質したりシミができたりするケースもあるため、駆除する際は十分に注意するようにしましょう。
シロアリの死滅温度や発生しやすい場所等については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。

更新日
2024.02.02
公開日
2024.02.02
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大量のシロアリを発見した場合
大量のシロアリを発見したということは、すでにシロアリが家の中や周辺に巣を作り食害が進んでしまっている可能性があります。シロアリが再び侵入しないようにするためには、巣ごと撤去しなければなりません。
また発見したシロアリが羽アリだった場合も注意が必要です。羽アリにはシロアリとクロアリの2種類が存在しますが、シロアリの羽アリが大量発生する現象は現在の巣とは別に新たな巣を増やそうとしているサインです。
シロアリ応急処置時の注意点

シロアリを家の中で発見した場合、「シロアリが逃げないうちに早く処理しなければ……」と焦ってしまう方もいるかもしれません。しかし、誤った方法で対処してしまうと、かえって被害を大きくさせてしまう可能性も。ここでは被害を最小限に抑えるために、応急処置時の注意点について紹介します。
殺虫剤の使用はなるべく避ける
殺虫剤を使用すると、噴射による風圧でシロアリが飛ばされ分散してしまう可能性があります。また殺虫剤には虫が嫌がる成分を含んだ忌避剤が入っているものが多く、生き残ったシロアリがほかの場所に逃げてしまう恐れも。殺虫剤の使用が被害を拡大させる要因にもなり得るため、シロアリ駆除の応急処置として殺虫剤を使用するのはなるべく避けるようにしましょう。
シロアリの死骸を保管しておく
シロアリを発見して応急処置を施した後は、可能であれば駆除したシロアリを携帯で撮影したり、死骸をビニール袋や空き瓶などに入れて保管したりしておくようにしましょう。害虫の中にはシロアリと似た形態のものもおり、知識がない方の場合は見間違えることもあるかもしれません。そのため捕獲した死骸や写真を業者へ依頼した際に提出すれば、シロアリであるかどうかスムーズに判断してもらえるほか、種類の判別にも役立ちます。
シロアリによる被害状況の確認方法
シロアリは集団行動する性質があり、1つの巣に対して数万匹以上が生息するとも言われています。個体数が多くなればあっという間に被害範囲は大きくなってしまうでしょう。そのためシロアリを家の中で発見して応急処置を施したあとは、ほかに食害されている場所はないか被害状況を確認する必要があります。
家の中でも特に食害を受けやすい場所は、シロアリの好む木材がある床や柱です。
またシロアリは蟻道と言って土のトンネルを作って移動する習性があるため、不自然な土の塊や筋がある場合も要注意です。シロアリがいる警告サインをあらかじめ知っておけば、異常がないか定期的な点検をする際にも役立ちます。
次の記事では、シロアリ被害の初期症状について紹介しています。被害状況をチェックする際はこちらを参考にしてみてください。

更新日
2023.12.14
公開日
2023.12.26
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シロアリが出たら専門業者に被害状況を確認してもらおう

シロアリ駆除の経験や知識がないと被害状況を確認しても不十分になりやすく、食害されている箇所を見落としてしまうかもしれません。そうなると大切な家がシロアリによって食い荒らされてしまいます。被害を最小限に抑えるためにも、シロアリを家の中で見かけたら速やかに専門業者へ依頼することをおすすめします。
なお、賃貸でシロアリを発見した場合は、まずは速やかにオーナーや管理会社へ連絡するようにしましょう。賃貸では業者の手配や費用の負担などをしてくれることがあります。
床下の被害状況を把握できる
暗くて湿度の高い場所を好むシロアリにとって人目につきにくい床下は格好の住処であり、家の中でも特に被害に遭いやすい場所のひとつです。しかし、床下は狭くて暗いうえ、足場が不安定です。中腰やほふく前進しながら作業しなければならず、経験や知識のない素人が点検するには危険が伴います。そのため専門業者へ依頼するのが安心かつ安全です。
また業者によってはシロアリの有無や被害状況の確認だけでなく、カビが発生していないか、床下の通気が十分であるかどうかなどもチェックしてくれます。
駆除から予防まで対応が可能
家の中で見つけたシロアリに応急処置を施すことは一時的な対処にすぎず、再びシロアリが発生してしまう可能性もあります。しかし、専門業者であればわずかなシロアリの痕跡も見逃さず隅々まで対処してくれるため、確実な駆除が期待できるでしょう。
またシロアリの駆除だけにとどまらず、再発を防ぐための予防や対策も実施してくれるほか、被害状況に応じてリフォームが必要かどうかなど有益な情報をくれることもあります。大切なマイホームに今後長く住み続けられるようにするためにも、シロアリの生態に熟知したプロの手を借りて根本的な解決を目指しましょう。
シロアリ駆除業者に依頼時の料金相場
シロアリ駆除業者に依頼する際に、駆除にかかる料金相場が気になる方も多いのではないでしょうか。まずシロアリがいるかどうかの点検については、基本的に無料としているところがほとんどです。そして実際に駆除した際にかかる費用については、駆除方法によって異なります。
バリア工法の料金相場
シロアリ駆除成分を含んだ薬剤を床下に直接散布して駆除する工法です。即効性が高く、多くの業者で採用されています。費用は1㎡あたり約1,000~3,000円が相場。30坪の戸建てであれば150,000円〜300,000円が費用目安となるでしょう。バリア工法はベイト工法より金額が安いため、費用を抑えたい方や今すぐに駆除したいという方におすすめです。
ベイト工法の料金相場
ベイト剤と呼ばれる毒餌を家の周囲に設置して駆除する工法。効果を発揮するまでに数ヶ月程度要しますが、人体にほとんど無害と言われているため、アレルギーがある方や安全性を重視する方に適しています。費用は外周1mあたり約4,000~7,000円が相場です。
シロアリが出たら応急処置で済ませず業者に相談しよう
シロアリは1匹いると、既にその時点で周辺に巣が作られている可能性が高いと言われています。さらに巣は床下や屋根裏、水回りの配管付近など一般の人では目視しづらい場所にあることがほとんどです。そのため本記事で紹介した駆除方法は一時的な対処法でしかなく、根本的な解決は難しいでしょう。
シロアリの調査や診断については、無料で実施してくれる業者も多くあります。シロアリを見つけて応急処置を施した後は、一度業者へ相談してみることをおすすめします。当サイトでは害虫駆除を専門とする業者を厳選して紹介しているのでお困りの際はぜひご活用ください。