シロアリは建物の木材を食べ、住宅に深刻なダメージを与えます。シロアリの予防対策で、「シロアリはハッカ油が効果的」と聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。しかし、シロアリに「本当にハッカ油は効くのか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
ホームセンターや通販サイトなどでは、シロアリ対策商品が販売されています。普段から侵入をさせないよう、風通しを良くしたり、日当たりをよくしたりするなど、自分でできる予防対策もあります。そのような自分でできる対策のひとつとして注目を集めているのが、ハッカ油を使ったシロアリ予防です。
今回は、ハッカ油を使ってできるシロアリ予防対策について説明しますので、ぜひ参考にしてください。
シロアリ予防に効果的と言われるハッカ油とは?
ハッカ油とは、どのようなものかよくわからないという方も多いかもしれません。ここでは、ハッカ油について説明します。
・虫よけには効果があるといわれているハッカ油
ハッカは清涼感がある香りのメントールが成分で、この清涼感がある香りが、嗅覚が発達している昆虫には刺激臭となります。そのため、「ハッカ油は虫よけに効果がある」といわれているのです。市販の虫よけスプレーの材料としても使われているのをご存じの方も多いでしょう。天然由来成分なので、子供用の虫よけ剤として使用されることもあります。
ただし、ハッカ油は刺激臭があるので、使用し続けることで人間やペットにストレスを与える可能性があるため、十分な注意が必要になります。
ハッカ油を屋内で使用する際には、フローリングや壁に付着するとシミになることがあります。また、ハッカ油にはポリスチレンという成分が含まれているため、プラスチックが溶ける作用がありますので、注意が必要です。
・シロアリはハッカ油が苦手
シロアリも同様に嗅覚が発達しているため、ハッカ油は効果的です。ただし、「刺激臭がするから寄せつけなくする」予防としての効果はありますが、駆除には適しておらず、既にシロアリが発生している場合は専門業者に依頼し駆除してもらう必要があります。
ハッカ油を効果的に使用できれば、シロアリなどの害虫対策に役立ちます。では、どのように使用したら効果的なのでしょうか?次の項目で具体的な方法を解説します。
自分でできるハッカ油のシロアリ対策
ここでは、ハッカ油を使用して自分でできる具体的なシロアリ対策をご紹介します。
・侵入経路にハッカ油をおく
建物への侵入を防ぐ方法として、侵入経路となりやすい玄関や窓、ベランダ付近にハッカ油を2~3滴を小皿に垂らして置いておく方法があります。また、重曹100gに対してハッカ油を10滴程度加えると、置き型防虫剤が作れます。中和反応により、消臭作用も発揮できますので、ぜひ試してください。
他にティッシュやガーゼなどにハッカ油を含ませて、シロアリの侵入経路に置く方法もあります。
どちらも日数が経ってしまうと臭いが薄まり効果も落ちますので、臭いが薄まったと感じたら、新しいものへ交換が必要になります。
・ハッカ油スプレーをまく
ハッカ油でスプレー剤を作り、侵入しそうな建物の基礎まわりや玄関先、ベランダ付近などの場所に吹きかけることで侵入を防ぐ効果が期待できます。
シロアリ以外に、害虫のゴキブリやアリなどにも効果が期待できるでしょう。また、ハッカ油入りのスプレーを網戸に吹きかけることで、網戸の隙間から室内に侵入する、蚊やコバエを防ぐ効果も期待できます。
上記の他に、ご自宅のまわりでハッカを育てる方法もあります。ハッカは、繁殖力が強いので、ご自宅で手軽に育てることができます。ただし、繁殖力の強い植物は、直接土に植えると地下に根を広げてしまい、限りなく増殖してしまいます。
そのため、植木鉢で育てることをおすすめしますが、植木鉢を多く置くことで湿気がこもりやすくなってしまい、シロアリが土から建物に侵入する原因になることもあるので注意しましょう。植木鉢の中に巣を作ってしまうこともあるため、日当たりの良い場所を選んで置き、数を控えることが重要です。
シロアリ対策に使うハッカ油スプレーの作り方
ハッカ油の購入は、ホームセンターや薬局、通販サイトなどで簡単に購入することができます。最近はスポイトタイプ以外に、スプレータイプも販売されています。
ご自身でハッカ油スプレーを作る場合は、水100mlにハッカ油を3~5滴入れ、混ぜます。それに重曹を小さじ1杯加えると完成します。
スプレーボトルは、前述のとおりプラスチックを溶かす成分がハッカ油にあるため、ガラス製やPE製にすることをおすすめします。また、吹きかける場所にプラスチック製品があると、これも溶けますので避けてください。
また、ハッカ油スプレーは、使用し過ぎると人間や動物にストレスを与えることがありますので、併せて十分に注意してください。
ハッカ油はシロアリ予防効果は期待できるが駆除は難しい
ハッカ油は、シロアリ予防効果はありますが、100%予防ができるわけではありません。また、既にシロアリが建物で発生している場合の駆除対策ができるものでもありません。
シロアリが発生している駆除剤としてベイト剤の使用があります。ベイト剤は毒エサの駆除剤のひとつで、シロアリの習性である「エサを仲間に分け与える」行為を利用したものです。
シロアリ駆除のベイト剤は、土の中に毒エサを埋めて使用するので、殺虫剤のようにペットや人間に害を与えるものではないため安全ではありますが、シロアリの巣の近くに置く、通り道に置くことで効果を発揮するため、場所の特定が不可欠になります。
根本的な解決をするためには、専門業者にお願いをして駆除をしてもらうことが確実です。専門事業者はシロアリについて熟知しており、正確に駆除してくれます。
専門業者は、建物の床下施工部に対して薬剤を注入します。土壌に薬剤を散布するだけではなく、木材内部への注入や侵入経路となる基礎コンクリートへの散布と、しっかりとした対策をします。ここまでしないとシロアリの侵入を阻止することができないからです。
専門業者を選ぶ場合は、費用の相場感を知るために複数社から見積もりをもらいましょう。見積もり内容が詳細に記載されていて、アフターケアについても提示し、相談に対して親身に対応してくれるような安心できる業者を選択することが、トラブルを避けることにつながります。
シロアリの予防・駆除は専門業者に依頼したほうが確実
ここまでシロアリ予防としてハッカ油の利用について説明をしましたが、確実に予防・駆除したいなら専門事業者に駆除をお願いするのが確実です。
シロアリの巣や原因を特定することは、素人では極めて困難です。時間が経過すればするほど、より建物の被害が拡大します。将来も快適に住み続けることができるようにするため、シロアリ被害があったら、すぐに専門業者に相談することをおすすめします。