天井裏から木材をかじるような音が聞こえたり食料品にかじられたりした痕跡がある場合、ネズミが住み着いているかもしれません。この記事では、ネズミが建物に侵入する経路や、狙われやすい侵入口、侵入口を塞ぐ方法などを紹介。
「我が家にネズミが住み着いているかどうか知りたい」という方向けに、ご自宅にネズミがいるか確かめる鍵となるラットサインについても解説します。繁殖したネズミによって被害を受ける前に侵入経路や追い出し方を確認しておきましょう。
ネズミはどうやって家に入ってくるの?侵入経路まとめ
屋外で生活するネズミは、餌を求めたり寒さを凌いだりするために家屋に侵入するとされています。2cm程度の穴があれば侵入でき、壁の中や天井裏を通路に自由に移動するため侵入経路を知っておくことが重要です。下記では屋外、屋内、マンションの場合に分けてネズミの侵入経路を紹介するのでご自宅の環境はどうか確認してみましょう。
屋外の侵入口
一般的にネズミは下記の場所を侵入口として建物内に入ってきます。
- 玄関
- 換気扇
- 屋根
- 排水管
- 床下通風口
- 戸袋
- エアコンの室外機
- 壁の隙間
- 窓や扉などの隙間
- 基礎の隙間
玄関など人目につきやすい箇所から侵入してくることもあれば、エアコンの室外機など小さな隙間から侵入してくることも。また鋭い歯を持つネズミは、耐火ボード壁などをかじって穴を開け侵入口とする場合もあります。特に経年劣化が見られる家屋の場合、ネズミの侵入口が多数あると言っても過言ではないでしょう。
屋内の侵入口
屋外から侵入したネズミは壁の内部を自由に移動し、居住空間に入り込みます。ネズミを大切な家屋に侵入させないのはもちろん、鉢合わせしないためにも屋内の侵入口を確認しておきましょう。
- 換気扇
- エアコンの導入部分
- トイレやキッチンの配管の隙間
- ガス管の隙間
- 長押(なげし)の隙間
- 床下通風口
キッチンやトイレ、浴室などの水回りは配管が集中しているため、ネズミの侵入口となりやすい場所です。排水管の中を通って侵入するケースもあるので対策が必要です。
また和室のあるご自宅では、壁面を囲むように取り付けられた木材「長押(なげし)」に隙間ができていないか調査するようにしましょう。
マンションの侵入口
一軒家に限らず、マンションやアパートなどの集合住宅にもネズミが侵入するケースがあります。特に、下記の箇所が侵入口となりやすいので対策を講じましょう。
- 自動ドア
- 換気扇
- エアコンの導入部分
- 壁のひび割れ
- 排水管
エントランスにある自動ドアの開閉時を狙って侵入したり、自動ドアと床の隙間にある小さな隙間から侵入したりと、ネズミがマンションに入り込む経路は多岐にわたります。
ネズミの種類別|狙われやすい侵入経路とは?

日本の家屋に侵入して住み着くネズミはクマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミの3種類に分けられます。それぞれ習性や大きさなどに違いがあるため、狙われやすい侵入経路も異なるのが一般的です。ご自宅周辺の環境と生息場所を照らし合わせて、重点的に対策すべき侵入経路を確認してみましょう。
クマネズミの場合
ジャンプ力のあるクマネズミは屋根裏や壁の中など、高く乾燥した場所を好みます。特に、下記の場所はクマネズミの侵入口として狙われやすいため注意が必要です。
- 屋根瓦の隙間
- 屋根と壁の隙間
- 換気扇
- エアコンや給湯器の導入部分
特徴 | 尾が胴より長く耳が大きい |
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色 | 体は黒から茶褐色 |
性格 | 神経質 |
大きさ | 15〜23cm程度 |
糞 | 0.5〜1cm程の細いフン |
生育場所 | 屋根裏や壁の中など乾燥した場所 高いところを好む |
ドブネズミの場合
クマネズミやハツカネズミよりも体が大きいドブネズミは、床下など低い場所を好みます。特に、下記の場所はドブネズミの侵入口として狙われやすいため注意が必要です。
- 基礎の隙間
- 床下の通気口
- キッチンやトイレなどの排水管
- 庭の穴
特徴 | 尾が胴より短く耳が小さい |
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色 | 背中は茶褐色から灰色 |
性格 | どう猛 |
大きさ | 18〜26cm程度 |
糞 | 1〜2cm程のフン |
生育場所 | 水辺を好む 床下や下水道に生息する |
ハツカネズミの場合
ハツカネズミは他の種よりも体が小さいため、小さな隙間から侵入してきます。特に下記の場所はハツカネズミの侵入口として狙われやすいため注意が必要です。
- 荷物に紛れての侵入
- シャッターの隙間
- エアコンの導入部分
- 壁のひび割れ
特徴 | 尾が短く耳が丸くて大きい |
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色 | 背中や尾は黒から灰褐色 |
性格 | おだやか |
大きさ | 6〜10cm程度 |
糞 | 0.4〜0.7cm程のフン |
生育場所 | 他の種が入らない場所 物置や納屋などを好む |
ネズミが侵入しているか確かめる鍵となるラットサイン
ネズミがご自宅に侵入しているか確かめる際に鍵を握るのがラットサインです。ラットサインとはネズミが生息している証拠となる痕跡のこと。具体的には、下記の目印がラットサインとなります。
- 糞尿
- 家具や壁などに付着した黒い汚れ
- かじられた痕跡
アンモニア臭のする糞尿が見つかったり、擦ったような黒い汚れが付着したりしている場合、ネズミがご自宅に出入りしているサインとなります。なおネズミの糞尿にはウイルスが含まれている恐れがあるため、素手で触ったり片付けたりするのは厳禁です。適切に処理する方法をお伝えするので、あわせて確認してみましょう。
ネズミの侵入を放置することで発生する被害

ラットサインを見つけてネズミの侵入を放置すると、感染症を引き起こしたり建物や家具の破損を招いたりする危険性があります。直接ネズミに触れなくても、ネズミがかじったものをそのまま口にすることで食中毒になる可能性も否定できません。
また、げっ歯類であるネズミは硬いものをかじる習性があります。侵入を許したまま放置しておけば、壁や家具など大切な家屋が傷つけられてしまうでしょう。電線やガス管をかじられれば漏電や火災を引き起こす危険性も……。
このように、ネズミの侵入を放置することは健康被害だけでなくご自宅の損傷にもつながるのです。
ネズミ対策には侵入口を徹底的に塞ごう
「ネズミの侵入経路を塞ぐにはどうしたらいいの」とお困りの方も多いでしょう。ここでは、侵入口の穴の大きさ別に、適切な対策を紹介します。
侵入口の穴が大きい場合の対策
換気扇の開口部や床下の通気口など侵入口の穴が大きい場合、金網を張ってネズミの侵入対策を行いましょう。金網は金目が小さく細かいものを選ぶことで、隙間からネズミが入り込むのを防止できます。
侵入口の穴が小さい場合の対策
シャッターの隙間やエアコンの導入部など侵入口の穴が小さい場合、簡易セメントやパテなどで隙間を塞ぎましょう。また、外壁のヒビ割れもネズミの侵入口となるためパテで埋めるのが正解です。
侵入したネズミを追い出すためには業者への相談がおすすめ
ここまでネズミの侵入経路や侵入口を塞ぐ方法を紹介しましたが、ネズミ駆除を行わずに侵入口を塞ぐと住み着いたネズミを家の中に封じ込めてしまう原因となり得ます。ご自宅にネズミが住み着いている場合は、侵入口を塞ぐ前に駆除を行いましょう。
ご自身で殺鼠剤やネズミ捕りなどを使用して駆除または捕獲することも可能なものの、処分までご自身で行わなければなりません。その点、専門業者に相談すれば侵入口を特定したうえで駆除してくれます。さらに、再発予防対策を共有してもらえる点も専門業者に依頼するメリットです。繁殖力に優れたネズミを増やさないためにも専門業者に相談して、大切な家屋やご家族をネズミ被害から守りましょう。当サイトでは信頼できるネズミ駆除の専門業者を紹介しています。お困りの際には、ぜひこちらも参考にしてみてください。