「鍵が奥まで入らず引っかかる」「鍵穴に入るけど回らない」など、自宅で鍵トラブルに見舞われた経験はありませんか?鍵が寿命を迎えている、鍵穴に異物が詰まっている、雨が入り込み鍵穴が錆びてしまったなど考えられる原因はさまざまです。
そこで今回はいくつかある鍵の種類の中でも、防犯性に優れているディンプルキーに焦点を当て、鍵が回らない原因と解決策について解説します。ディンプルキーの仕組みをはじめ、身近なアイテムや市販のスプレーを使った掃除方法についても紹介しているため、使用している鍵がディンプルキーの方は必見です。突然のトラブル時にも冷静に判断できるよう確認しておきましょう。
【画像付き】ディンプルキーとはどのような仕組みの鍵?

鍵穴に鍵を差し込んで使用するシリンダーキーにはいくつかの種類があります。ディンプルキーはその一種です。一般的な鍵には、側面や両端にギザギザとした鍵山がありますが、ディンプルキーにはそのような鍵山がない代わりに表面に多数の丸いくぼみ(ディンプル)が刻まれています。このくぼみがディンプルキーの大きな特徴です。
一般的な鍵は、鍵山のギザギザと鍵穴のピンの高さが一致すれば鍵が回り解錠できる仕組みになっています。ピンの数が多ければ多いほどピッキングしにくくなるものの、ピンの方向は上下1〜2方向のみに限られてしまっていました。そこでピッキング対策として誕生したのがディンプルキーです。
ディンプルキーが回らない時に考えられる原因

繊細な構造をしているディンプルキー。その緻密さゆえに鍵が回らないといったトラブルに見舞われるケースもあるでしょう。ここではディンプルキーが回らない場合に考えられる主な原因について紹介します。
鍵や鍵穴に汚れが付着している
ディンプルキーが回らない際、代表的な原因のひとつに挙げられるのが鍵や鍵穴に汚れが付着しているケースです。鍵のくぼみや鍵穴の中にわずかなホコリやゴミなどの異物が付着するだけでも、かみ合わせが悪くなり鍵が入るけれど回らない、操作しづらいといった事態を引き起こしてしまいます。
ディンプルキーを深く差し込めていない
鍵を鍵穴の奥までしっかりと差し込めていない場合、かみ合わせが悪く解錠できません。まずは、奥まで鍵が差し込めているか確認しましょう。このほか鍵に付着していたホコリやゴミなどが差し込んだ際に鍵穴に詰まり、奥まで差し込めなくなっているケースも考えられます。
経年劣化したり破損したりしている
鍵本体が破損したり経年劣化したりしているため、解錠できないケースもあります。一般的に鍵と鍵穴の耐用年数は、10年ほどと言われています。そのため使用期間が長い場合、サビつきや変形が発生することも。
ディンプルキーが回らない時の解決策
ディンプルキーが回らないトラブルに見舞われた場合、対処法は症状によって異なります。応急処置となる解決策を紹介するので、参考にしてください。
鍵や鍵穴に汚れが付着している場合
ディンプルキーに異物が付着している場合、きれいな布を使って拭き取ります。それでも異物が落ちない場合は、水で洗い流しましょう。水で洗い落したあとは、水分をしっかり拭き取ってから鍵穴に挿入してください。
一方、鍵穴に異物が入っている場合、空気を勢いよく噴射するエアダスターを使って鍵穴内部の異物を取り除く方法がおすすめです。エアダスターはホームセンターで購入できます。エアダスターが無い場合は、掃除機で異物を取り除けるケースもあるため代用してみましょう。
それでも鍵が回らない場合は、鍵穴専用の潤滑剤を使用するのもひとつの方法です。専用の潤滑剤は、粉状で速乾性があるためホコリやゴミと混ざりにくい点が特徴的。使用する際はしっかり乾かした上で鍵を差し込みます。
ディンプルキーが引っかかる場合
ディンプルキーを鍵穴に差し込んだ際に引っかかりがある場合、ディンプルキーの表面にあるくぼみにゴミが入り込み詰まりが発生している可能性があります。ホコリやゴミであれば、拭き取ったり水で洗い流したりすることで解決されます。
それでも引っかかる場合、歯ブラシを使って異物をかきだしましょう。鍵を傷つけないようできるだけ先端の柔らかいものを選ぶのがポイントです。
合鍵を使用する
ディンプルキーが歪んでいたり破損していたりするケースもあるため、合鍵を使って解錠できるか試してみましょう。解錠できた場合は、ディンプルキー由来のトラブルと判断できます。
もともとスペアキーを使用していた場合は、精度に差があることから経年変化しやすく寿命よりも早く劣化する可能性があります。劣化したものや性能の悪いものを使い続けると鍵穴に負担をかけてしまうため、できるだけ純正のキーを使用しましょう。
【注意】ディンプルキーが回らない時にやってはいけないこと
ディンプルキーが回らない時、無理に鍵を回そうとしたり異物を挿入したりすると鍵穴や鍵が故障する原因になり得ます。やってはいけないことをしっかり確認しておきましょう。
強引に鍵を回そうとする
解錠できないからといって、強引にディンプルキーを回そうとするのは厳禁です。力任せに回そうとすると、鍵が歪んだり折れてしまったりする危険性があります。鍵穴の中に折れた鍵が残ると取り出せず、鍵シリンダーごと交換しなければなりません。そうなると修理費用も高くなってしまうでしょう。
専用の潤滑スプレー以外の商品を使う
潤滑スプレーを使用する場合、必ず鍵穴専用の商品を使用しましょう。鍵穴専用の潤滑スプレーは速乾性に優れているという特性があります。一方で、自転車やはさみなどに使用される一般的な潤滑スプレーは油分が多く、鍵穴に使用するとホコリやゴミを付着させてしまう恐れも。
シリンダーに針金などの異物を挿入する
針金や爪楊枝などを使用してピッキングしようとしたり、鍵穴に詰まった異物を取り除こうとしたりする方もいるかもしれません。しかし、先端が鋭利なものを差し込むと内部を傷つけてしまう可能性があるほか、差し込んだものが内部で折れて鍵穴に残ってしまう場合も。シリンダー本体を破損させる恐れがあるため、異物を挿入する行為は避けましょう。
どうしてもディンプルキーが回らない場合は業者に相談する
先述した応急処置の方法を試して解決できなかった場合は、速やかに鍵修理専門の業者に依頼しましょう。専門業者であればトラブルの原因を特定した上で、迅速かつ適切に対処してくれるため安心です。
また業者に依頼する際は費用面も気になるところではないでしょうか。費用の相場は次の通りです。
作業内容 | 相場費用 |
---|---|
ピッキング | 10,000~20,000円 |
シリンダーの交換 | 25,000~35,000円 |
錠前の交換 | 35,000~50,000円 |
費用が不安な場合は、見積りを取ってみるのもよいでしょう。またどの業者に依頼すればよいのか悩む場合は、以下も参考にしてみてください。
ディンプルキーは日頃から掃除しておこう!
ディンプルキーが回らないなど突然のトラブルに見舞われないためには、日頃からの掃除やケアが大切です。しかし精巧な作りをしていることから使用頻度や経年変化により、解錠できなくなるケースも。今回紹介した方法により解決できる場合もあるものの、改善されない場合はプロの力を借りるのもひとつの方法です。当サイトではディンプルキーをはじめ、鍵トラブルに対応している専門業者を紹介しています。お困りの際はぜひこちらもご活用ください。