カメムシはいつまで発生するのでしょうか?この記事では、カメムシとはどんな虫かを簡単に説明し、発生時期はいつまでか・予防方法・駆除方法などを紹介します。
カメムシとはどんな虫?
日本だけでも1,300種類が確認されているカメムシは、さまざまな色や形をしています。同じカメムシでも害虫・益虫がおり、害虫の代表的な種類はツヤアオカメムシとクサギカメムシです。
害虫のカメムシの臭いと農作物への被害を解説します。
【強烈な悪臭】
カメムシは危険を感じると体から悪臭のする分泌液を放出します。成虫は後ろ脚の付け根から、幼虫の場合は背面にある開口部からと、成長段階により放出する部分が異なります。
しかし悪臭のする分泌液を放つカメムシは少ないと言われており、中には青リンゴのような良い香りのする種類もいるほどです。
【農作物への被害】
カメムシの口はストロー状をしており、野菜や果実の汁を吸うので、傷みや変形の害が出てしまい、商品価値を損なう恐れがあります。農作物の葉の裏に卵を産みつけるので、悪臭だけでなく農業にも悪影響を及ぼす害虫です。
カメムシの発生時期はいつまでか?
カメムシは年中発生する虫ですが、特に活動の活発になる季節があります。カメムシの季節ごとの活動と、カメムシを多く見かける理由・大量発生の原因を紹介します。
・季節ごとのカメムシの活動
春(4~6月)になると、冬を越した成虫が目覚めて山へ移動します。このとき一部のカメムシは農作物や果樹に食害を与える場合があります。
夏(7~8月)は、移動した先の山でスギやヒノキの実を食べて繁殖する時期です。その年のスギやヒノキの発生量によりカメムシの数も変化します。
秋(9~11月)は1年の中で最もカメムシに注意が必要な時期です。成長して成虫になったカメムシが、あらゆる方向へ飛び回り、農作物や果樹に食害を与えます。
冬(12~翌3月)になると木の葉の裏や家屋の中で冬を越します。
・多く見かける理由
カメムシの好むものがあるほど集まってくるため、原因を見つけて予防しましょう。カメムシは農作物や果樹のある場所・夜間に光を放つ照明・真っ白の洗濯物に集まる習性があります。特に秋は多く集まりやすいため、注意が必要です。
・大量発生の原因
農作物の中でも水分を多く含む植物を好むため、みかんや柿など果実のなる植物は広く食害します。夜間の街頭や建物の照明に集まりやすく、家への出入りの際や窓を開けていると室内へ入ってきます。
白は光を反射しやすい性質があり、カメムシを集めやすい色です。また日光に当たって温まった洗濯物は、カメムシにとって過ごしやすい場所のため、衣服の表面だけでなく裏面に付着している場合があります。
カメムシの予防方法
カメムシの害虫被害にあわないために、建物や敷地への侵入を防ぐ方法を紹介します。
【サッシや網戸の隙間をなくす】
カメムシは隙間が2mm開いているだけで侵入できると言われています。サッシや網戸に隙間があるときは、隙間テープなどを購入して閉じましょう。隙間を防ぐためのテープは、ホームセンターや100円ショップで手軽に購入できます。
【サッシにハッカ油を吹きかける】
カメムシはミント系の香りを嫌がるため、ハッカ油スプレーが効果的です。窓や網戸などへ吹きかけておきましょう。
ハッカ油スプレーは自宅で手作りでき、スプレー容器・ハッカ油(20滴程度)・水道水(90ml)をよく混ぜ合わせるだけで簡単に作れます。
【敷地内を除草する】
植物が多いとカメムシが繁殖しやすいので、雑草が生い茂った庭や建物の裏などは増えやすい場所です。庭や家庭菜園は定期的に除草して、植物を減らしましょう。卵を産みつける場所が少ないと、カメムシの大量発生を予防できます。
【防虫剤をまく】
市販のカメムシ防虫剤を、窓や玄関、外壁などへ吹きかけます。防虫剤によって効果の持続時間が異なるので、求める長さや効果を確認し、最適なものを選びましょう。
カメムシの駆除方法
カメムシを見つけた場合、駆除方法を間違えると嫌な臭いを出させる可能性があります。臭いを出させずにできる駆除方法と、避けた方が良い駆除方法を説明します。
・臭いを出させない駆除方法
「カメムシ駆除」とパッケージに書かれた殺虫剤を使うと、嫌な臭いが出る前に駆除できます。カメムシへ直接スプレーするだけで、殺虫成分が働いてカメムシを駆除します。
カメムシを凍らせて駆除する殺虫剤を使う方法もおすすめです。殺虫成分が入っていないため、殺虫剤の臭いやべたつきが気になる方も使いやすい方法です。
・避けた方が良い駆除方法
カメムシを掃除機で吸い取る、または叩いてつぶす方法は、衝撃を与えたときに悪臭を放つため避けましょう。掃除機はカメムシに直接触れずに除去できますが、掃除機の内部で臭いを出す恐れがあります。掃除機の排気からカメムシの悪臭が出てしまいます。
カメムシの臭いがついた時の対処方法
駆除の最中などにカメムシの臭いがついた場合、次の対処法を行いましょう。手に臭いがついた場合と衣服についた場合に分けて解説します。
・手に臭いがついたとき
カメムシの悪臭に含まれるアルデヒド類の化学物質混合物は、油に溶けやすい性質があります。そのため手に臭いがついたときは、オリーブオイルやオイル系クレンジング剤などを手に塗りこむと落とせます。そのあと、ハンドソープなどで油分を洗い流しましょう。
また、界面活性剤を含む食器用洗剤などでも臭いを落とせますが、手に塗りこんだあと十分洗い流しましょう。
・衣服に臭いがついたとき
カメムシの悪臭は揮発性があり、熱を使うと消臭効果を期待できます。スチームアイロンやドライヤーを衣服にあてる・天気の良い日に天日干し・熱湯につけるなどの方法があります。
カメムシの発生時期はいつまでかを知って対策をしよう
カメムシは一年を通していますが、いつまでが発生時期かを知り、予防策に取り組みましょう。夏に繁殖し秋に発生するため、ふだんから庭などの除草を定期的に行って侵入経路の隙間を塞ぎ、防虫スプレーをかけておきます。
もし手に悪臭がついたときはオリーブオイルなどを塗りこんだあと、ハンドソープであらいましょう。衣服についた悪臭は、スチームアイロンや熱湯など熱を使った方法が効果的です。