自宅や庭などでカメムシが発生したときは、ペットボトルと洗剤を使った方法で、嫌な臭いを発生させずに駆除しましょう。この記事では、カメムシの臭いの原因・ペットボトルと洗剤を使ったカメムシ捕獲器の作り方・その他の駆除方法などを解説します。
カメムシの臭いの原因は?
カメムシは日本に1300種類以上いるものの、嫌な臭いを出す種類はごく一部です。カメムシが危険を感じたとき、成虫は足の付け根から幼虫の場合は背中から臭いを出して、身を守ります。なぜ強烈な臭いがするのか、原因を説明します。
【臭いの原因はアルデヒド】
カメムシの臭いの主な成分はアルデヒドで、刺激性があり、その他の化学物質が混ざって強い臭いを作り出します。ちなみに外敵がカメムシの臭いをかぐと、同じ種類のカメムシは二度と襲わないといわれるほど、強烈な臭いです。
【手についた臭いは落としにくい】
カメムシを追い払おうとして臭いが手につくと、水で洗ってもなかなか落ちません。なぜなら水に溶けやすい成分と油に溶けやすい成分の両方があるからです。
そのためカメムシの駆除は、臭いを出させずに対処することが必要です。
ペットボトルと洗剤で簡単に作れるカメムシ捕獲器
カメムシの習性を利用して、臭いを出させずに駆除する方法が「カメムシ捕獲器」です。身近なアイテムで手作りできる、簡単な作り方とより効果的に駆除するコツを紹介します。
【カメムシ捕獲器の作り方】
用意するものは、ペットボトル・ペットボトルをカットできるはさみやカッターナイフ・テープ・LEDライトです。ペットボトルの大きさに決まりはなく、あるものでかまいません。また、LEDライトがなくても作成できます。
作り方はペットボトルの上部3分の1のところで切り離し、切った部分を上下ひっくり返してはめ込みます。はめ込んだ部分をテープで固定し、捕獲したカメムシが隙間から逃げることを防ぎましょう。ちなみにカメムシは2mmの隙間があれば
移動できるため、隙間がないかしっかりと確認します。
【カメムシ捕獲器の設置方法】
完成したカメムシ捕獲器は、カメムシが集まっている場所の下へ置きます。このときLEDライトを照らすと、手をわずらわせることなく呼び寄せられます。捕獲したまま駆除するときは、中に中性洗剤を入れておくと、直接触れずに処理できて便利です。
中性洗剤が手元にないときは、水を入れてもかまいません。捕獲し終わったら、上部をラップと輪ゴムを使って密閉し、カメムシの臭い漏れを防ぎましょう。
【LEDライトを使うと効果的な理由】
カメムシは光に集まる習性があり、短時間で効率よく捕獲したい場合、LEDライトがあると有効です。100円ショップなどで、簡単に購入できます。
その他のカメムシ駆除方法
ペットボトルを使った捕獲器以外にも、カメムシを駆除する方法があります。より簡単なガムテープを使ったやり方と、カメムシ駆除に適した殺虫剤を紹介します。
【ガムテープ】
粘着力の高いガムテープを用意し、カメムシの背中へ粘着面を静かに近付けて捕獲します。その後ガムテープを貼り合わせてカメムシを密着させ、ゴミ箱へ捨てると駆除完了です。1~数匹程度のカメムシは、ガムテープで簡単に駆除ができます。
天井など高い場所にいるカメムシは、棒の先に粘着部分が出る状態に貼り、そっと近付けて捕獲しましょう。捕まえたあとは、同様にガムテープを貼り合わせて処分します。ただしガムテープをカメムシへくっつけるとき、刺激を与えると臭いを放つため、気をつけましょう。
【カメムシ駆除向けの殺虫剤】
カメムシ駆除向けのスプレータイプ殺虫剤があると、すばやく吹きかけて駆除できます。しかしスプレーをかけた刺激で嫌な臭いを放出する恐れがあり、駆除はできても臭いを防げない可能性があります。
やってはいけないカメムシ駆除方法
カメムシは危険を感じると悪臭を放つため、刺激を与えずに駆除することが必要です。しかし次の2つの方法は、駆除できても嫌な臭いが残るため避けましょう。
【叩いてつぶす】
カメムシが衝撃を受けて強烈な臭いを出し、室内全体に広がります。悪臭は壁や床などに残るほか、衣服やカーテンにもしみついてしまいます。また、手で叩いてつぶすと手のひらに強烈な臭いがつき、洗ってもなかなか落ちません。
【掃除機で吸い取る】
掃除機に吸い込まれたカメムシは、衝撃を受けて内部で悪臭を放つ恐れがあります。ひっくり返って動かないからといって掃除機で吸い取ると、生きていた場合強烈な臭いを出します。そのため動いていなくても、掃除機で吸い込まない方が無難です。
カメムシの臭いがついた時の対処法
カメムシを駆除するときに臭いがついた場合は、ただ水洗いしただけでは落ちません。なぜなら、カメムシの臭いの元は油性だからです。ここでは、手と衣服に悪臭がついた場合にわけて、対処法を説明します。
【手に悪臭がついた場合】
食器用洗剤を使って手を洗うと、含まれる界面活性剤の働きでカメムシの臭いの除去を期待できます。その後、石けんやハンドソープを使って十分洗い流しましょう。
またはオリーブオイルなど油を手に塗り込んだあと、同じようにハンドソープなどを使って洗って落とす方法もあります。一度洗って臭いが落ちないときは、もう一度食器用洗剤やオイルを塗り込んでから石けんで洗い流します。
【衣服に悪臭がついた場合】
衣服にカメムシの臭いがついたときも、界面活性剤入りの衣料用洗剤で洗い、十分すすぎます。界面活性剤が油汚れとくっつき、衣服への再度の付着を防ぎます。たいていの衣料用洗剤は界面活性剤を含んでいますが、念のため成分を確認してから使いましょう。
カメムシの臭いは熱に弱いため、スチームアイロンやドライヤーをかける・晴れた日に天日干しをするなどの方法もあります。
カメムシはペットボトルと洗剤でなるべく刺激せずに駆除しよう
カメムシを駆除したいときは、ペットボトルと洗剤を使って捕獲器を作り、LEDライトをあてて効率よく対処しましょう。カメムシの強烈な臭いが手についたときは、食器用洗剤で洗うと効果を期待できます。衣服についた場合も界面活性剤入りの衣料用洗剤で洗いましょう。
どちらのケースも、洗剤は十分すすいで洗い流します。または熱に弱い性質を利用し、スチームアイロンやドライヤーで消臭する方法もあります。