ムカデが家の中にいたらもう一匹いるという噂は、本当でしょうか?この記事では、ムカデとはどんな虫かを説明し、一匹いたら複数いるといわれる理由・ムカデの繁殖を防ぐ方法・見つけたムカデの駆除方法を解説します。
ムカデとはどんな虫?
多足類のムカデは「百足」とも書きますが、足が100本に満たない種類もいます。害虫を食べる面では益虫ですが、毒があり噛まれると強い痛みが出るため、危険性のある虫です。
【ムカデが好む環境】
ムカデは暗く湿った、狭い環境を好みます。屋外では、積もった落ち葉や倒木の下、庭の植木鉢や石の下などに生息します。屋内の場合、特に湿度の高い風呂場・洗面所・流し下・キッチン・畳の裏・床下などに出現しやすいです。
【ムカデとヤスデの違い】
ムカデとヤスデは形が似ていますが、ムカデは肉食でヤスデは雑食と異なっています。ムカデはあご部分に毒腺があり、噛んで攻撃しますが、ヤスデは毒液を吹く種類が多く存在します。
【ムカデとゲジゲジの違い】
形の似ているゲジゲジは、ムカデと同じ肉食の虫です。ゲジゲジは毒を持たない点が、ムカデと異なります。
「ムカデが家の中に一匹いたらもう一匹いる」は本当?
ムカデを家の中で一匹見つけたら、二匹以上いるといわれていますが、実は間違っています。なぜならムカデは、基本的に一匹で行動するからです。正しい表現は、「メスのムカデが一匹いたら、近くに幼虫が10~20匹隠れている恐れがある」です。
【ムカデはつがいで行動しない】
産卵期を迎えると、ムカデのオスは精包を放出しメスが生殖口から取り込んで繁殖します。オスは生殖口から精包の取り込みが始まるとすぐに姿を消すため、つがいでの行動はしません。つがいに見えたとすれば、親ムカデとその子どもです。
【メスは幼虫を守りながら育てる】
メスのムカデは産んだ卵を背中に乗せて守る習性があります。孵化したあとも、子ムカデが自力でエサをとれる時期までは背中に乗せて守るため、複数でいるムカデを目撃する場合があります。
ムカデの繁殖を防ぐ方法
自宅でムカデの繁殖を防ぐために、ムカデの特徴を知り、対策をとりましょう。
・湿気を防ぐ
高温多湿の環境を好むムカデは、室内に限らず庭などの湿気がたまりやすい屋外でも繁殖します。花壇・大きな石の下・たまった落ち葉の下は、ムカデが過ごしやすい条件がそろっています。定期的に、花壇の雑草を抜く・石をどける・落ち葉を片付けるなどして、ムカデが快適な環境を減らしましょう。
室内は、床下や屋根裏など風通しの悪い場所にムカデが入りやすいです。可能な限り風通しを良くしながら、ムカデ用の罠を設置して対策しましょう。
・ムカデのエサになる害虫を駆除する
肉食のムカデはゴキブリやダニなどの害中を食べるため、害虫を駆除すると繁殖を防げます。害虫対策として、生ごみはシンクの三角コーナーや排水口へためずこまめに捨てる・こまめに掃除機をかける・燻煙剤を焚くなどしましょう。
ムカデの中にはコウモリやネズミを食べる種類もおり、害虫だけでなく害獣対策まで視野に入れてもよいでしょう。
ムカデを家の中で見かけたときの駆除方法
ムカデは毒があり、噛まれるとひどく痛むので、適切な方法で駆除しましょう。
・殺虫剤を使う
常備している殺虫剤を使って、ムカデを駆除します。ムカデ用殺虫剤は、ホームセンターやドラッグストアなどで多数販売しています。ゴキブリなど害虫用の殺虫剤であっても代用可能です。
・熱湯をかける
殺虫剤をすぐに用意できない場合の駆除方法です。熱湯とは90℃以上のお湯をさしますが、50℃以上であればムカデ駆除に使えます。熱湯はかける分と弱ったムカデをひたす分にわけて用意しましょう。
初めに熱湯をムカデにかけて弱らせ、チリばさみやトングなどでつかみ、次に熱湯を入れた容器へひたします。弱っていてもムカデを素手で触れては危険なので、必ずつかむ道具を用意します。熱湯がはねるとやけどしてしまうので、注意が必要です。
・性質を利用した罠を仕掛ける
ムカデの駆除中に見失ったときは、罠を仕掛けて様子を見ましょう。ムカデが現れた場所へ、大きめのゴミ袋を切って開き、その真ん中に濡らした雑巾を数枚重ねて置きます。このとき雑巾はきっちりと重ねず、ムカデが入り込む隙間ができる程度にずらして置きましょう。
湿度の高い、暗く狭い場所が好きなムカデの性質を利用した罠です。雑巾へムカデが寄ってきたときは、殺虫剤を使って駆除します。
ムカデを家の中に入れないための対策
ムカデは室内で繁殖し続けるわけではなく、家の外から入ってくるケースがほとんどです。肉食なので、エサを追いかけてたまたま家へ入り込むケースを防ぐために、次の3つの対策を行いましょう。
【侵入経路をふさぐ】
ムカデの屋外からの侵入を防ぐには、網戸やサッシの隙間がないか確かめましょう。他にも、風呂場やキッチンの排水口・エアコンなどのダクト・畳の隙間・壁のひび割れなどからも侵入します。隙間テープを貼ってふさいだり、テープの貼れない部分には目の細かいネットを張ったりして、隙間をなくしましょう。
【害虫や害獣を駆除する】
家の中に、ゴキブリ・クモ・ダニ・ネズミなどムカデのエサになる害虫・害獣がいると侵入します。見つけたムカデだけを駆除しても、別のムカデが侵入する可能性が高いので、先に害虫や害獣を駆除しましょう。
ムカデの好物であるゴキブリの駆除には、室内で燻煙剤を焚く、または隙間へ駆除エサ剤や捕獲器などを設置するなどします。屋外用の駆除エサ剤もあるため、ベランダや窓際、プランターなどへも置けます。
【忌避剤を置く】
ムカデはハーブの香りが苦手なので、例えば、樟脳・ハッカ・ヒノキ・ローズマリーなどの香りを使った忌避剤は侵入予防に役立ちます。ハーブの香りは、ムカデの触覚に刺激を与えるため嫌がるといわれています。
ムカデを一匹家の中で見つけたときの対策を知っておこう
ムカデが家の中に一匹いた場合、親ムカデであれば子どもが10匹以上いる可能性があります。ムカデは暗く湿った狭い場所を好み、繁殖を防ぐには風通しを良くしましょう。肉食でゴキブリが好物なので、室内の害虫駆除も対策のひとつです。
ムカデは屋外から侵入するケースが多いため、窓などの隙間をふさぎ忌避剤を置いて、防ぎましょう。