ムカデの室内への侵入経路はどこでしょうか?この記事では、ムカデとはどんな害虫かを簡単に説明し、ムカデの侵入経路や侵入対策を解説します。しっかりと侵入経路へ対策したにもかかわらず、室内へ入ってきたムカデの駆除方法もあわせて紹介しますので、ぜひお役立てください。
ムカデとはどんな害虫?
「百足」と書くムカデは文字のとおり肢(あし)の多い虫で、3000種類存在するといわれています。ムカデは肉食で、害虫のゴキブリやクモなどを食べますが、人間にとって危険な面もあります。
【ムカデの危険性】
ムカデは毒を持っており、噛まれるとひどく痛み、その部分は赤く腫れます。痛みは時間が経てば消えますが、患部にしびれやかゆみが残る場合もあります。中には、発熱・頭痛・めまいなどが発生するケースもあり、注意が必要です。
以前にムカデに噛まれた経験のある人は、アナフィラキシーショックが起きる恐れもあります。
【ムカデの好む環境】
暗く湿っており温かい環境を好むため、ふだんは土の中・落ち葉の下・石の下などで過ごし、夜中になるとエサを求めて行動します。春から秋にかけて活動したあと冬は冬眠し、成虫だけでなく、卵や幼虫のまま越冬するケースもあります。
ムカデの侵入経路
肉食のムカデは、エサを追いかけて自宅へ入ってくるため、あらかじめ侵入経路へ対策をしましょう。ムカデの侵入経路になりやすい5箇所を説明します。
玄関
玄関扉の下は3~5mm程度の風抜き用の隙間があり、強風などによって指をはさむなどの事故を防いでいます。一般的にはゴムパッキンやブラシ状のモールで隙間を塞ぎますが、長く使ううちに劣化したり踏みつけて隙間が広がったりし、ムカデの侵入経路になります。
エアコンの配管・外壁との隙間
室内に設置したエアコンと外壁に穴を開けて室外機へつなぐドレン配管は、専用カバーやパテを使って隙間を塞ぐのが一般的です。しかしエアコンの付け外しする頻度が高い場合、配管工事で隙間が広がってしまい、窓を閉めていてもその隙間からムカデが入ってきます。
サッシの水切り穴
窓サッシにある雨水などを外へ流す水切り穴は、小さなムカデが侵入しやすい部分です。レールで浮く窓ガラスとサッシの隙間から入り、水切り穴を通って室内へ侵入します。
キッチンシンク下の排水管・床板との隙間
キッチンのシンク下を通る排水管と床板の隙間部分は、フタをかぶせるだけではムカデが侵入します。隙間カバーがついていない場合は、すぐに隙間を塞ぐ対策を取りましょう。
キッチンレンジフード換気扇の排気口の隙間
レンジフード内の大型換気扇は、風圧で開閉する部分があり、ムカデが押し上げて侵入します。
ムカデの侵入対策
ムカデの侵入経路には正しく対策を行って、被害を防ぎましょう。侵入されやすい箇所ごとに対策を解説します。
玄関
扉の開閉時間をできる限り短縮し、ムカデが入る機会を減らします。扉下に隙間ができている場合は、小さな隙間であってもテープなどを貼って侵入を防ぎましょう。
水回りの排水管
使わない排水口があればフタをし、シンク下の排水管を通す穴はテープを貼って隙間をなくします。隙間カバーをかぶせただけではムカデは侵入するので、テープで塞ぎましょう。
床下
床下にムカデ対策用の粉剤を定期的にまき、侵入を防ぎます。ペットや小さな子がいると室内の床には粉剤を使えませんが、床下であれば安心です。
室内
ムカデは湿度の高い環境を好むので、こまめに換気して室内の湿度を下げましょう。雨の日は湿度が上がりやすく、押し入れや畳、床下には湿気がたまりやすくムカデが好む条件がそろいがちです。除湿器も活用して湿度の上昇を抑えましょう。”
ムカデの駆除方法
自宅でムカデを見つけた時は、次の方法から取り組みやすいものを選んで駆除しましょう。
【ムカデ用殺虫剤を使う】
市販の殺虫剤の中でも、ムカデ用を選んで購入しましょう。スプレータイプの殺虫剤は、ムカデへ数度吹きかけるだけで駆除できるため簡単です。
その他の殺虫剤で対応することもできますが、ムカデは生命力が強いので効果が薄い可能性もあります。
【熱湯をかける】
殺虫剤を置いていない、またはたまたま切らしている場合、熱湯でムカデを駆除する方法を試しましょう。屋外や玄関など、濡らしても問題のない場所であれば、そのまま熱湯をかけてかまいません。もし濡れると困る場所でムカデを見つけた時は、チリばさみなどでムカデを取り、バケツなどへ入れたところへ熱湯を注ぎます。
ムカデに噛まれた時の対処方法
ムカデの駆除中などに噛まれた場合は、すぐに次の対処方法を行いましょう。毒を持っているので、迅速な対応が欠かせません。あらかじめ知識を持った上で駆除しましょう。
【すぐにお湯で洗う】
ムカデの毒は肌の表面へつくので、噛まれた時はすぐに洗い流します。ムカデの毒はタンパク質を含むため熱に弱く、やけどしない程度の熱いお湯で洗いましょう。毒性を下げる目安の温度は、43℃です。
【炎症を鎮める薬を塗る】
お湯で患部を洗ったあとは、炎症を鎮める働きのある軟膏を塗りましょう。人によって市販の塗り薬を使えない場合があるため、薬剤師に相談した上で購入し、使用します。もし治療中の病気がある場合は、市販薬に頼るよりもすぐに病院で診察を受けましょう。
大人が使う軟膏は、手足を噛まれた場合はステロイド成分が強めのタイプを、顔など皮膚の薄い部分はステロイド成分弱めのものを選びます。子供は部位に限らずステロイド成分弱めがおすすめですが、子供用の市販薬があるため、薬剤師に相談しましょう。
【医療機関を受診する】
お湯で洗って軟膏を塗ることはあくまで応急処置なので、早めに医療機関でみてもらいましょう。以前ムカデに噛まれた経験があれば、早急に受診します。すでにアナフィラキシーショックなどの重い症状があれば、救急車を呼ぶ、または一刻も早く病院へ行きましょう。
ムカデの侵入経路になる隙間を塞いで対策しよう
ムカデは、毒を持っており噛まれると激痛を感じる危険な虫です。室内への侵入を防ぐため、侵入経路になりやすい箇所を知り隙間を塞ぐ対策を行いましょう。もし、駆除中に噛まれた時はお湯で洗って軟膏を塗り、早めに医療機関を受診しましょう。