毒を持つ危険な虫「ムカデ」は、熱湯を使ってどのように駆除するのでしょうか?この記事では、熱湯でムカデを駆除する方法とあわせて、ムカデの特徴を簡単に説明し、その他の駆除方法を紹介します。なぜ熱湯が有効かを知り、行いやすい方法でムカデを駆除しましょう。
ムカデの特徴
ムカデの駆除になぜ熱湯を使えるかを紹介する前に、ムカデの習性や特徴を解説します。熱湯が役立つ理由を知って適切に駆除しましょう。
【ムカデは危険な虫】
細長い体に多数の肢(あし)を持つムカデは、種類により本数はさまざまです。肉食でゴキブリやクモなどの害虫を食べるため、屋内にいる獲物を狙って侵入することがあります。
ムカデは毒を持っており、噛まれると激痛が走り、噛まれた部分は赤く腫れあがります。これまでにムカデに噛まれた経験があると、アナフィラキシーショックが現れる危険性もあるので、自宅でムカデを見つけた時は早めの対処が必要です。
【ムカデの毒は熱に弱い】
ムカデの毒はタンパク質を含むため、熱に弱い特徴があります。タンパク質はお湯で固まる性質があるため、ムカデの駆除には熱湯が役に立つといわれています。
熱湯を使ったムカデの駆除方法
ムカデの毒が熱に弱い性質に注目し、熱湯で駆除する方法を説明します。ムカデだけでなく熱湯の扱いにも注意して、駆除しましょう。
【熱湯でなくてもOK】
熱湯は90℃以上のお湯をさしますが、ムカデの駆除の場合、タンパク質が固まる42℃以上のお湯でかまいません。
熱湯へ落とす
熱湯をバケツなどためられる器へ入れておき、トングや箸、チリばさみなどを使ってムカデを挟んで熱湯へ落とします。すぐに駆除でき、室内も汚さずにすむ方法ですが、ムカデが動いて逃げる可能性があります。動く可能性のあるムカデに対して道具を使ってつまむ勇気があれば、手っ取り早い方法です。
熱湯をかける
ムカデを先に弱らせたあと熱湯へ落とす方法もおすすめですが、畳や近くに電子機器がある場所などでは避けましょう。熱湯を持って直接かけるため、お湯が跳ねてやけどをする恐れがあり、十分な注意が必要です。ムカデが突然動いて熱湯がかからず、こちらへ攻撃してくる可能性もあるため、噛まれないよう注意しましょう。
熱湯を使う以外のムカデの駆除方法
ムカデの駆除は熱湯を使う以外の方法もあるので、取り組みやすい方法を選んで行いましょう。
【ムカデ用殺虫剤を吹きかける】
ムカデ用殺虫剤がある場合、吹きかけると最も簡単に駆除できます。しかしムカデは生命力が強いため、一度噴射しただけでは弱っただけの可能性があります。数秒間、ムカデへ向けて殺虫スプレーをかけましょう。
一般的な殺虫剤も使えますが、ムカデを弱らせるだけで駆除に至らない恐れがあります。熱湯を使った方法や、たたいてつぶす方法を併用することも考えて使いましょう。
【凍殺スプレーをかける】
殺虫成分が入っておらず、ムカデを凍らせて駆除するための殺虫スプレーです。床がベタつかず、赤ちゃんやペットのいる家も安心して使えます。凍傷を起こす危険性があるため、吹きかける際は手などに触れないよう注意が必要です。
【新聞紙などでたたいてつぶす】
ムカデの急所の頭を狙って、丸めた新聞紙などでたたく方法です。強くたたきすぎるとムカデの体液で床が汚れるため、熱湯へつけるなどして確実に駆除します。
【くん煙剤を焚く】
ムカデを室内で取り逃した場合におすすめの方法です。部屋のすみずみまで殺虫成分が広がるため、複数のムカデやその他の害虫もまとめて駆除できます。使用する前に、家電製品や火災報知器をカバーで覆っておきましょう。
ムカデの駆除に熱湯を使うメリットとデメリット
ムカデを熱湯で駆除する方法には、メリットとデメリットがあります。両方をあわせて検討し、最適な方法かを判断して行いましょう。
メリット
熱湯を用意するだけでよく、ムカデ用の殺虫剤を購入する必要がありません。殺虫スプレーを室内で使うと、床がベタつき臭いも残ってしまいますが、熱湯を使ってもその心配はありません。
ムカデをたたいてつぶすと床が汚れる恐れがあり、逃げられたり攻撃されたりする可能性があります。その点でも、熱湯はかけるだけでムカデを弱らせられ、熱湯につければすぐに駆除できます。
デメリット
熱いお湯を扱わなくてはならず、かける時にやけどする恐れがあります。熱湯が床に落ちて跳ねる、またはかけ方を失敗して自分にかかってしまうなど注意が必要です。
熱湯を常備していない場合、沸かす必要がありその間にムカデが逃げるかもしれません。また、熱湯をかけられない畳やカーペット敷きの部屋では、ムカデをトングなどで挟んで持つ勇気も必要です。
ムカデに噛まれた時の対処法
ムカデに遭遇した時、または駆除中などに噛まれた時は、すぐに次の対処をしましょう。
【42℃以上のお湯をかける】
ムカデの毒は熱に弱いため、患部へ42℃以上のお湯をかけますが、トゲが刺さっている場合は先に抜きましょう。噛まれてすぐの場合は温めた方がよいといわれており、10~20分ほどかけ続けます。
お湯の温度が重要で、42℃を下回るとタンパク質成分を持つ毒の酵素活性が増すので、痛みが強くなります。やけどに注意しながらお湯をかけ続けましょう。
【軟膏薬を塗る】
お湯を患部にかけたあと、ステロイド成分入りの軟膏、または抗ヒスタミン成分配合の軟膏を広めに塗ります。赤ちゃんや小さな子供の場合、大人よりも症状が強く出やすいので、早めの受診がおすすめです。
【すぐに受診が必要なケース】
血圧低下や意識障害など、アナフィラキシーショックの症状がある場合は、必ず救急車を呼びます。近くに病院があり連れていける状態であれば、すぐに受診しましょう。
対策グッズがない時はムカデの駆除に熱湯を使うのが有効
ムカデの対策グッズが自宅になくても、熱湯があれば駆除できます。熱めのお湯を使うため、取り扱う際はやけどに注意しましょう。ムカデ用殺虫剤やくん煙剤などを使った方法も、状況に応じて検討します。
ムカデの駆除中に噛まれた場合、すぐにお湯をかけ続け、そのあとで抗ヒスタミン成分配合の軟膏などを塗ります。アナフィラキシーショックの症状が出ている時は、救急車を呼び対処しましょう。