ヤスデがコンクリート周りに大量発生すると、見た目や臭気によって不快な思いをすることがあります。ヤスデ自体は人に害を与えない土壌生物ですが、発生を防ぐためには適切な駆除と予防対策が欠かせません。ここでは、ヤスデが集まる理由から効果的な駆除方法、日常でできる予防対策まで、詳しく解説します。
ヤスデとは?
ヤスデは種類によって身体の色や体長が異なります。体の幅は3mm程度の個体が多く、いずれも細長い円筒形の体をしています。見た目こそグロテスクですので、多くの方が嫌悪感を抱いてしまいますが、枯れ葉や落ち葉などを分解する大事な役割を担っている土壌動物です。人を刺したり咬んだりはしませんが、集団で発生することや、人目に付きやすい所に発生することなどから、不快害虫として有名です。
国内で話題にあがることの多い「ヤケヤスデ」と呼ばれる種類は、人の家の中にまで侵入してくるヤスデです。ヤケヤスデは、小さいムカデに見えるため毒があると誤解されがちですが、ヤケヤスデには毒はありません。ただし、触れると特有の臭気を発生することと、見た目が不快感を与えるため嫌悪の対象となっています。
ヤスデがコンクリート周りで大量発生する理由とは?
ヤスデがコンクリート周りで大量発生する理由は、ヤスデの生態を知ることによって理解することができます。こちらではヤスデがコンクリート周りで大量発生する理由を3つ紹介します。
コンクリート周辺に集まる主な原因(湿気、エサ、温度)
大量発生する1つめの理由は、コンクリート周りがヤスデにとって過ごしやすい環境であることです。ヤスデは湿った場所を好む習性があるのですが、コンクリートの裂け目は、適度に湿っていることや、湿度や温度がコンクリートに囲まれることによって維持しやすいことから、ヤスデにとって天国のような場所となっています。
梅雨時期に大量発生
2つ目はヤスデにとって過ごしやすい時期だということです。ヤスデは梅雨と秋に大量発生しがちです。この時期は、雨が多いため適した湿度が保たれます。また、秋は産卵時期でもあります。そのため、梅雨と秋にはヤスデが大量発生してしまうのです。
集まる習性がある
3つ目の理由が、ヤスデは集まる習性があるということです。ヤスデは、越冬するために集団を形成するという生態も持ち合わせています。バラバラにいるよりも、まとまっていた方が、見た目のインパクトが強く大量発生を強く印象付けるのだと思います。
コンクリート周りで大量発生するヤスデの被害
ヤスデは毒を持っていませんし、ムカデのように咬んだりもしないため、比較的安全だといわれていますが無害ではありません。ヤスデによってもたらされる被害には、どのような物があるのでしょうか。
・外壁、階段などに大量発生
見た目はもちろんですが、狭いエリアに大量発生することから、ヤスデは見ている人に嫌悪感を与える不快害虫にカテゴライズされます。害虫とは違い人体や衛生上の害はありませんが、大量に集まることによって精神的な苦痛を与えます。
・家に侵入
ヤスデは快適な場所をもとめ移動する不快害虫です。わずかな隙間があれば侵入できてしまいます。本来ヤスデは落ち葉の多い湿った場所やコンクリートや石の隙間などを好む不快害虫ですが、大量発生した際に溢れた個体が迷い込むことがあるそうです。
・嫌なにおいがする
ヤスデは咬んだりはしませんが、刺激を与えると臭液を分泌します。この臭液は、ヤスデが外敵から身を守るための物で、臭いだけでなく肌や目に触れるとかぶれることもありますので、注意が必要になります。
コンクリート周りのヤスデ大量発生を防ぐポイント
ヤスデの発生を防ぎ、快適な生活環境を保つためには、ヤスデが好む環境をなくし、侵入を防ぐ対策が大切です。ここでは、具体的な対策方法を3つご紹介します。
ヤスデの大量発生を防ぐ1つめの対策が湿気対策を徹底することです。ヤスデは日陰や湿った場所を好んで生息しています。そのため、庭や敷地内にある雑草などはこまめに刈り取り、刈った草の雑草は溜め込まずすぐに処分してください。
2つ目の対策が、定期的な掃除と落ち葉除去を徹底することです。ヤスデは明るい場所を嫌うため、落ち葉やゴミで光が遮られた排水溝や側溝に集まります。定期的に掃除を行い落ち葉を除去することによって、ヤスデの隠れ家をなくし大量発生を未然に防ぐことができます。
3つ目の対策が、隙間や穴を封鎖することです。ヤスデはほんのわずかな隙間であっても侵入してきます。そのため、侵入経路を封鎖することによって、ヤスデの被害を未然に防ぐ方法も非常に効果的です。ツルツルした養生テープを貼るとヤスデが登ってこられなくなるのでおすすめです。
コンクリート周りで大量発生したヤスデの駆除方法
殺虫剤の効果と使用方法
ヤスデが大量発生した際には、即効性のある殺虫スプレーの使用が効果的です。手を触れず直接スプレーで駆除することができます。室内で薬品を使用するのが不安な場合には、瞬間冷凍スプレーを使用しましょう。
駆除剤選びのポイント(安全性、即効性)
ヤスデの駆除剤には、粉剤タイプをはじめ、スプレータイプや置くだけタイプがあります。それぞれ使い勝手や効果が異なるため、使用する場所や安全性、そして即効性を考慮した上で選ぶ必要があります。
駆除の注意点と対策
ヤスデは触れると臭気を発生させるため、触れずに駆除する必要があります。また、駆除剤は商品ごとに使用量が異なるため、必ず使用方法を確認した上で、指定量を守って駆除しましょう。駆除が終わった後は、スプレーを噴射した部分を掃除し、丁寧に手を洗い換気をしてください。
自分での駆除が難しい場合は専門業者へ依頼
どれだけ個人で駆除や予防をしても、ヤスデの大量発生を止められないケースがあります。ヤスデが大規模に発生し、自力での駆除が難しい場合には、専門の駆除業者に依頼するのも一つの方法です。
ヤスデをコンクリート周りで大量発生させないためには対策が大切
ヤスデの発生を抑えるためには、湿気対策やこまめな清掃、侵入経路の封鎖が効果的です。もし大量発生した場合は、状況に応じた駆除剤を使用し、安全に駆除を進めましょう。
また、手に負えない場合には、専門業者に依頼することも一つの選択肢です。適切な予防と対策を取り入れ、ヤスデのいない快適な環境を維持していきましょう。