「部屋のどこからかカタカタという音がする」「ラップ音のような不気味な音が聞こえる」。このような現象が発生している場合、家の中に害虫や害獣が侵入し音を出している可能性も考えられます。害虫や害獣は放置すると繁殖する恐れがあるほか、健康被害をもたらすケースもあるため速やかに対処しなければなりません。
しかし、適切に対処するためには侵入した害虫や害獣を特定する必要があります。そこで特定する手掛かりのひとつとなるのが害虫や害獣たちが発する音です。本記事では害虫別に音の特徴について詳しく解説。あわせて害虫が侵入した場合の対処法についても紹介します。
家の中で音がする原因
家には誰もいないはずなのに、どこからともなく聞こえてくる奇妙な音……。このような現象に遭遇すると、多くの方は不気味に感じることでしょう。なかには、ラップ音や怪奇現象を疑う方もいるかもしれません。しかし家の中で聞こえる音には、きちんとした原因がある場合がほとんど。そのため、むやみに怖がる必要はありません。家の中で音がする際に考えられる原因は、主に次の通りです。
家鳴り
部屋の中で「ミシミシ」「パシッ」「パキパキ」といった類の音がする場合に考えられるのは、家鳴り(やなり)という現象です。
そのため、木造住宅に限らず軽量鉄骨造の家やマンションでも家鳴りは起こります。
また、新しい木材は水分量が多く乾燥しやすいため、家鳴りは新築の家でもよく見られる現象です。このほかにも風や地震、老朽化による家の重心のずれから家鳴りが発生するケースもあります。
害虫や害獣の侵入
家鳴りの場合は家の構造体がきしむような音が聞こえますが、そのような類の音でない場合は害虫が家のどこからか侵入し物音を立てている可能性も考えられます。特に温度や湿度が高くなる夏は、害虫の活動が活発になる時期のため要注意。害虫を駆除せずに放置すると、繁殖し大量発生してしまう恐れがあります。
また、害虫のほかにネズミやコウモリなどの害獣が屋根裏に侵入している可能性も考えられるでしょう。害獣の種類によってはドスドスと大きな足音をたてたり強烈な臭いを放ったりするものもいます。害獣も放置すると繁殖する恐れがあるため、早急な対処が求められます。
【音の特徴別】家に侵入した害虫や害獣の見分け方

音の原因が家鳴りであれば多くの場合、過剰に心配する必要はありません。しかし、害虫や害獣が家に侵入している場合は、できるだけ早急に駆除しなければなりません。ここでは家に侵入した害虫や害獣を特定し的確に対処できるよう、それぞれが出す音の特徴について紹介します。
害虫が家の中で発する音
家の中に侵入する害虫には、シロアリやゴキブリをはじめハチやハネタタキなどさまざまな種類の虫たちが挙げられます。それぞれの害虫は生態が異なることから、発する音も異なります。聞こえる音をヒントに、侵入した害虫や害獣の特定に努めてみましょう。
音の聞こえ方 | 想定される害虫・害獣の種類 |
---|---|
「カタカタ」と叩く音 | シロアリ |
「カチカチ」と叩く音 | スズメバチ |
「カサカサ」と床を這う音 | ゴキブリ |
「カサカサ」「バサバサ」という羽音 | コウモリ |
「ブーン」という羽音 | ゴキブリ、ハチ、ハエ、カナブンなど |
「ジジジ」という羽音 | ゴキブリ |
「チッチッチ」という高い鳴き声 | カネタタキ |
「ヴー」という低い鳴き声 | たぬき |
「キー」「ククク」という鳴き声 | イタチ |
「キュッキュッ」という高い鳴き声 | ネズミ |
「ドタドタ」「ドスンドスン」という足音 | アライグマ、ハクビシン、イタチ、たぬき |
「カツカツ」「ガリガリ」と木材をかじるような音 | ネズミ |
シロアリ
家の中で「カタカタ」と音がする場合、シロアリが発生している可能性が高いでしょう。シロアリは目が退化して見えないことから、音を出して仲間とコミュニケーションを図る習性があります。そのため、身の危険を感じると頭を振って床を叩いて警戒音を出し、仲間に危険を知らせようとします。シロアリは特性上、実態を確認することが難しいものの壁や柱、床下などからカタカタと聞こえた場合は、一度点検してみるようにしましょう。
ゴキブリ
暗くて狭い場所を好むゴキブリは夜行性であるため、夜に「カサカサ」という音が聞こえた場合は要注意。ゴキブリが部屋の中を徘徊している音かもしれません。また、ゴキブリは飛ぶ習性があるため「ブーン」という羽音が聞こえる場合もあります。
このほか、ゴキブリは危険が迫っているときや求愛行動の際に、羽を振って「ジジジ」と音を出す習性を持ちます。求愛行動は繁殖期をまもなく迎えるサインであるため、速やかに駆除するように努めましょう。
カネタタキ
カネタタキはバッタの一種。体長1cm前後と非常に小さい害虫ですが、見つけ方のポイントは特徴的な鳴き声です。「チッチッチ」とまるで鐘を叩いたような高い鳴き声であることから、カネタタキという名が付けられたと言われています。また、カネタタキは夜行性であるものの、昼夜問わず鳴き声を発する点も特徴のひとつです。
ハチ
家の中で聞こえる「ブーン」という大きな羽音は、ハエやカナブンの場合もありますがハチが部屋の中に迷い込んでいる可能性も。体長の小さなミツバチであっても刺激すると刺される危険性があるため、冷静に対処するように努めましょう。
また「カチカチ」という音が聞こえる場合は、スズメバチが威嚇して出す警戒音の可能性があります。スズメバチは毒性が強く、刺されると重篤な症状を伴う恐れがあるため、音を立てず速やかにその場を去るようにしましょう。
害虫のほかに、害獣が屋根裏に侵入して音を発しているケースもあります。害獣が出す音については以下の記事で詳しく解説しているため、参考にしてみてください。

更新日
2023.12.26
公開日
2024.01.20
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家に害虫や害獣が住み着いた場合に考えられるダメージ
害虫や害獣が家に住み着いていた場合、迅速に対応することが求められます。しかし「怖くて駆除できない」と対応に躊躇する方もいるかもしれません。では、家に発生した害虫や害獣を放置してしまうと一体どうなるのでしょうか。害虫や害獣が住み着いた場合に考えられるダメージは次の通りです。
騒音被害
害虫や害獣が家に住み着いた場合、羽音や鳴き声、足音などの騒音によってストレスを感じたり、睡眠を妨げられたりする方も少なくありません。また、なかには疲労やストレスが蓄積して精神的に追い詰められてしまい、不眠症やノイローゼに陥ってしまうケースもあります。
糞尿被害
家に侵入した害虫や害獣は、屋内に糞尿を残していくことがあります。害虫の糞尿は小さなサイズではあるものの、病原菌やウイルスが含まれている可能性も。掃除機で吸引すると掃除機内が汚染される恐れがあるため、処理は慎重に行う必要があります。
また害獣の糞尿は、非常に強烈な臭いを放つため、部屋に一度染みついてしまうとなかなか取れずとても厄介です。ほかにも屋根裏に糞尿が蓄積し、天井にシミができたり天井が腐食して抜け落ちたりする家屋の被害例も報告されています。
健康被害
害虫や害獣の体には、さまざまなウイルスや病原菌が含まれています。そのため、害虫や害獣に攻撃されて怪我を負ったり糞尿に触れてしまったりすると、感染症を引き起こす恐れも。また、直接触れる機会はなくても屋内に蓄積した糞尿から有害物質が発生し、皮膚病や喘息などアレルギーを引き起こす危険性もあります。
家の中で害虫や害獣の音がする場合の対処法

ここでは、害虫や害獣が住み着いた場合の対処法について紹介します。なお、害獣のなかには「鳥獣保護管理法」という法律により、無資格者が許可を得ずに捕獲することが禁止されているものもいます。屋根裏に侵入する害獣のなかでは、タヌキやアライグマ、ハクビシンなどが対象です。知らずに捕獲した場合でも法律違反となり罰金が課せられる可能性もあるため、まずは先述した音の特徴などをもとに、侵入した害獣の種類を突き止めるよう努めましょう。
殺虫剤や忌避剤を使用する
ホームセンターやドラッグストアで入手できる殺虫剤や忌避剤は、比較的安価なものが多いため気軽に試せる点が魅力です。商品のなかには天然成分由来のものもあり、ペットや小さなお子さんがいるご家庭でも安心して利用できます。
ただし殺虫剤は至近距離で照射しなければならないため、害虫や害獣の種類によっては危険を伴う場合も。また、忌避剤においては期待される効果の持続期間が半年程度のものが多く、繰り返し使用すると害虫や害獣に耐性が付く点が懸念されるでしょう。
罠を仕掛ける
ゴキブリやネズミが住み着いている場合、専用の粘着シートや捕獲器など罠を仕掛けて捕獲を試みるのも方法のひとつです。侵入口になりそうなところを見極めて複数罠を仕掛けておくと、捕獲の成功率を上げられます。
なお捕獲に成功した場合は、死骸の後始末までしなければならないことも念頭に置いておくようにしましょう。また、ネズミはドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミなど衛星状態に害を及ぼすネズミを除いてすべて鳥獣保護管理法の対象となっているため、ネズミを駆除する際は注意が必要です。
害虫や害獣が嫌いなニオイを利用する
害虫や害獣にはそれぞれ苦手とするニオイがあるため、その習性を利用して撃退する方法もあります。例えばハッカ油は、ゴキブリをはじめネズミやハクビシン、コウモリなど多くの害虫や害獣たちが苦手としているニオイです。スプレーにして広範囲に散布すると、天然の忌避剤として活用できます。また、ほかの撃退法と併用してみるのもよいでしょう。
光で追い出す
家に侵入する害獣の多くは夜行性であり、光に敏感であるという習性を持ちます。そのため、強い光を照射できるライトを使用することで撃退できる場合も。ライトはLEDライトでも活用できますが、より強い光を放てる害獣撃退用の専用ライトも販売されています。
また、害虫については、殺虫灯と呼ばれる専用ライトの使用がおすすめです。殺虫灯は紫外線を多く含み、おびき寄せた害虫に電圧を与えて感電死させる仕組みとなっています。
害虫や害獣駆除は業者に依頼するのが安心
前述した方法はご自身で手軽に試せる点が魅力ですが、害虫や害獣ごとにそれぞれの特徴や生態を理解したうえで対策を講じなければ、適切な駆除はできません。また方法によっては、駆除までに時間を要するものもあり、その間に害虫や害獣が繁殖してしまう可能性も否めないでしょう。そうなると、高額な駆除費用が必要となる場合もあります。
このような事態を防ぐためには、専門の業者に駆除を任せるのが安心です。
家の中に侵入した害虫や害獣は早めに追い払おう
家の中で聞こえる不審な音は家鳴りの場合もありますが、害虫や害獣が侵入している場合もあります。害虫や害獣は繁殖能力が高いものもいるため、放置は厳禁。なかには騒音や悪臭に悩まされたり、健康被害に至ったりするケースもあったりするため早期での発見や解決が重要です。当サイトでは害虫や害獣駆除を専門とする業者を厳選して紹介しているのでお困りの際はぜひ業者選びにご活用ください。