瓦屋根が雨漏り!原因や応急処置方法、業者依頼時の費用相場を解説

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瓦屋根が雨漏り!原因や応急処置方法、業者依頼時の費用相場を解説

瓦屋根が雨漏り!原因や応急処置方法、業者依頼時の費用相場を解説

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更新日

2024.01.22

公開日

2024.01.22

瓦屋根が雨漏り!原因や応急処置方法、業者依頼時の費用相場を解説

目次

「自宅の瓦屋根から突然雨漏りしてしまった!」「どこから雨漏りしているのかわからない」など、突然の雨漏りに戸惑ってしまう方も多いのではないでしょうか。実は耐久性が高い屋根材といわれている瓦にも、雨漏りが起きてしまう原因が数多くあります。

この記事では、瓦屋根から雨漏りが発生する原因と自分でできる応急処置方法を紹介します。また、雨漏りが発生する根本原因の補修方法として、専門業者に依頼する際の費用相場や、修理費用を少しでも安く抑える方法についてもまとめています。突然の雨漏りでお困りの方、瓦屋根の修繕のため専門業者への依頼を検討中の方に役立つ情報をまとめているので、ぜひ参考にしてください。

瓦屋根が雨漏り!?まずは発生箇所の特定を!

耐久性や防音性に優れ、メンテナンスも少なく済むなど、優秀な屋根材である「瓦」。そんな瓦屋根から突然雨漏りが発生した場合、どこから雨漏りが発生しているのか特定することが肝心です。瓦屋根はどのような構造になっているのか、また雨漏り発生箇所はどのように特定するのか詳しく紹介します。

瓦屋根の構造

瓦屋根が雨漏りしたからといって、必ずしも瓦本体に原因があるとは限らないといわれています。その理由は、瓦屋根の構造にあります。

瓦屋根は、屋根材である瓦の下に次のような建材が土台となって構成されています。

屋根の構造

  • 「垂木(たるき)」……屋根の斜面を支える部材で母屋の上に取り付ける
  • 「野地板(のじいた)」……屋根を形成する面の土台になる下地で、垂木の上に取り付ける
  • 「防水シート」……雨水の侵入を防ぐシートで野地板の上に取り付ける

実はこれらの建材の耐久年数は瓦よりも短く、屋根内部の野地板や防水シートの劣化が雨漏りの原因となってしまう可能性が高いのです。

雨漏りが発生している箇所の特定方法

先述した通り、雨漏りが発生する原因は瓦本体の経年劣化とは限りません、そこで雨漏りが発生した際は、雨漏りの発生箇所を特定することが重要です。ここでは、自分でできる雨漏り箇所の特定方法を紹介します。

  1. 屋根上や外壁などの目視調査
    屋根材のズレや破損、外壁にひびや塗装剥がれがないか確認してみましょう。
  2. 散水調査
    長いホースを使い、屋根や外壁など雨漏りの可能性が考えられる場所に散水してみましょう。

発生箇所が特定できれば自分で応急処置を行えるほか、専門業者に修理を依頼するときにも状況説明がスムーズにできます。

瓦屋根が雨漏りする原因

瓦屋根の雨漏りは、瓦本体だけでなく屋根を構成する部材の劣化なども原因になるといわれています。瓦屋根が雨漏りする原因を詳しく見ていきましょう。

瓦のズレや破損

優れた耐久性のある瓦であっても強風や地震などの自然災害によって、ズレや浮き、歪みが発生しやすくなります。また、落下物などにより瓦が割れてしまう可能性も。瓦のズレや破損箇所から雨水が侵入すると、野地板や防水シートを傷め雨漏りに発展する危険性が考えられます。もし瓦のズレや破損による雨漏りが発生した場合は、瓦を交換するだけでなく、その下にある水が侵食した下地部分も併せて補修しましょう。

防水シートの劣化

瓦屋根の下には、雨の侵入を防ぐ防水シートが敷かれています。瓦のように耐久性の高い丈夫な屋根材を使用したとしても、その下葺き材(したぶきざい)である防水シートを施工しなければ、雨漏りを防げません。そのため、防水シートの劣化は、雨漏りの可能性を一気に高めてしまいます。屋根のメンテナンスをする際は、屋根材の点検や補修だけでなく、防水シートの点検やメンテナンスも併せて行いましょう

コーキングの破損

瓦と瓦の隙間を埋めるために使われるコーキング。このコーキングの破損も雨漏り発生原因のひとつといわれています。

ホームセンターでもコーキングに必要な道具が揃うため、自分で応急処置しようと考える方もいるでしょう。しかしコーキングの方向を間違えたり、瓦と瓦の隙間をすべて埋めるようにコーキングしたりすると、雨水が流れる道をふさいでしまうことも。瓦の下に雨水がたまり、腐食しやすくなってしまう原因となり得るため注意が必要です。

板金部分の劣化

壁と屋根の隙間などには金属製の板金が使用されています。屋根と屋根のつなぎ目を「谷」と呼び、屋根から流れてくる雨水を集めて雨樋に排出する重要な役割を担っています。この谷部分には、銅板やガルバリウム鋼板などのサビにくい素材が使用されていますが、経年劣化によりサビが進行し雨漏りが発生してしまうことも。定期的に、谷板金の状況を確認し、サビが発生していたら早めに交換しましょう。

葺き土の流出

明治から昭和初期にかけ「土葺き(どぶき)工法」によって施工される瓦屋根が多く存在していました。瓦の下に大量の土を敷き詰めることで、現在の接着剤の役割を果たしていたのです。しかし長年にわたる雨風の影響により屋根から少しずつ土が流出し葺き土が減少すると、下葺(したぶき)材である杉皮(すぎかわ)に雨水が伝い、雨漏りが発生する原因となります。葺き土の著しい減少や浸食がみられたら葺き土を撤去し、新しい工法を用いて瓦を乗せ換えましょう。

棟部分の漆喰の剥がれ

屋根瓦の1番上の箇所にあたる「棟(むね)」には、土台を守るために漆喰を塗り込んでいます。この漆喰も、地震や強風により建物や屋根が動くことによって、ひびや割れが発生してしまうのです。ひび割れの隙間から雨水が侵入し、下葺材に浸透してしまいます。また、瓦の土台の力が弱まることで棟瓦の歪曲やズレが生じ、さらなる雨漏りに発展してしまうことも。棟部分の漆喰の剥がれを見つけたら、速やかに古い漆喰を取り除き新しい漆喰を詰めなおしましょう。

瓦屋根が雨漏りしている場合の応急処置方法

瓦屋根が雨漏りしたときの応急処置方法

瓦屋根から雨漏りが発生した場合、被害を最小限に食い止めたいところ。突然の緊急事態に備えて、自分でできる応急処置方法を知っておくと安心ですね。ここでは「室内でできる応急処置方法」を3つご紹介します。

床や家具への浸水を防ぐ

天井などからの雨漏りをそのままにしておくと、壁や床、家具の色落ちや劣化、カビの発生という二次被害が発生してしまいます。雨水が垂れてくる場所にバケツを置き、その下に新聞紙やブルーシートを敷きましょう。室内でできる応急処置を行うことで、雨水が床や家具への浸水を防ぐことができます。

漏電対策を行う

雨漏りによって電気配線や電気コードなどの絶縁体の隙間に雨水が入り込むと、漏電が起こる危険性も。それにより、家電の故障や停電の発生、電力損失による電気代の高騰などの被害を引き起こしてしまいます。そして最も恐れるべきは感電や火災などの二次被害です。

すぐに専門家への調査を依頼した方がよいケースとは?

雨が降ると停電する、漏電ブレーカーが落ちるなどの症状が見受けられる場合には、電気保安協会や電気工事士の資格を保有している専門家に調査を依頼しましょう。

屋根裏で雨漏りを食い止める

天井点検口から屋根裏に入り、雨漏りをしている場所を確認してみましょう。屋根のどこから雨漏りしているのかを確認するとともに、その場所にバケツや新聞紙、ブルーシートなどを置くことで室内への雨水の侵入を食い止められます。いざというときに慌てないため、日頃から天井点検口のある位置を確認しておくとよいでしょう。

瓦屋根の雨漏りに自力で対処するには限界がある

自宅の瓦屋根から雨漏りした場合、被害状況の確認、高所作業など、自力ですべて対処するのは困難なことも。そんなときは無理をせず専門業者に依頼するのがおすすめです。ここでは自分で行う雨漏りの応急処置の危険性や、専門業者に依頼した場合の費用などを解説します。

屋根に登っての作業は危険がいっぱい

雨漏りの応急処置を目的とした、屋根や脚立の上などでの高所作業では作業中の転落事故が後を絶ちません。また瓦屋根の上に登る際、足の踏み場に注意しないと問題のない瓦まで破損やズレが生じてしまう可能性があります。屋根の上などでの高所作業は決して無理をせず、専門業者に依頼しましょう。

雨漏りを放置しておくことで発生する被害

雨漏りを放置しておくと、どのような被害が発生するのでしょうか。具体的な被害事例を見てみましょう。

  • 家の劣化

雨が侵入したことにより木材に菌が繁殖し、腐食が進む。最悪の場合、天井が抜け落ち、家が傾く可能性も。

  • 害獣・害虫の発生

湿気の多い木材を好む白アリや高湿状態を好むネズミの格好の住処となってしまう。
柱や断熱材などをぼろぼろにされてしまうなど、建物のダメージが深刻化する。

  • カビの繁殖による健康被害

雨漏りし高湿状態が続いている建物にカビは加速度的に増える。空気中にカビの胞子が含まれるため。アレルギー症状が出てしまうことも。

雨漏りを放置しておくことはまさに「百害あって一利なし」といっても過言ではありません。雨漏りによる二次被害を防ぐために、早めの処置を行いましょう。

専門業者に依頼する際の費用相場

雨漏りの修理を専門業者へ依頼したときの費用相場

雨漏りの修理を専門業者に依頼するには、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。修理箇所ごとの費用相場をまとめてみました。

漆喰の補修3~40万
瓦のズレ・一部差し替え1〜10万
瓦棟の修理10~30万
棟板金の交換4〜20万
谷板金の交換7〜80万
防水シート(ルーフィング)の補修・張り替え5〜35万
全体の拭き直し80~150万
全体の葺き替え50~200万

雨漏りの修理は、依頼した業者や雨漏りの症状のほか、範囲・材料・屋根の大きさや工事方法などさまざまな条件で決められています。一概に金額になるとはいえませんが、専門業者への依頼を検討されている方は、ぜひ参考にしてくださいね。

瓦屋根の修理費用を安くするコツ

突然瓦屋根の修理が必要になったときに、少しでも修理費用を安くできると助かりますよね。自然災害によって瓦屋根の修理が必要になった際は、火災保険を活用しましょう。

瓦屋根の修理に国の補助金は利用できる?

雨漏りに備えて屋根の劣化対策工事を行う場合、国土交通省が行っている「長期優良住宅化リフォーム推進事業」で補助金を受けられます。

いずれも受給には一定の条件があるため、しっかりと内容を確認したうえで修理や申請手続きを行いましょう。

瓦屋根の雨漏りは業者に相談しよう

自宅の瓦屋根から突然雨漏りした際、少しでも早く応急処置をしたくなるもの。しかし、慣れない高所作業には危険が伴うことを忘れてはなりません。無理のない範囲で行える、室内での応急処置にとどめておきましょう。

また、仮に応急処置ができたとしても、根本的な補修をしなければ雨漏りを繰り返す可能性があります。本格的な雨漏り対策には、専門業者に依頼するのがおすすめ。雨漏りでお困りのご家庭は、当サイトに掲載中の専門業者までお問い合わせくださいね。

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