屋根修理を請け負う企業のなかには“悪徳業者”と呼ばれるような詐欺を働く組織も報告されています。悪徳業者は儲けのために違法行為をしたり、予想外に高い金銭を要求したり関わると良いことがありません。そこで本記事では、屋根修理における悪徳業者の6つの特徴とともに、営業トークの傾向や狙われやすい家を解説します。「飛び込み営業には注意が必要」と言われる理由も紹介するので、もしもの際の参考にしてください。
屋根修理の悪徳業者に要注意!
屋根修理をはじめとした改修工事を請け負うリフォーム業界には、ずさんな工事や相場よりも高い請求でトラブルを引き起こす“悪徳業者”が存在します。
悪徳業者はターゲットとする家に訪れ点検と称して屋根に上がり、故意に破損させて工事の必要性を訴求してくる場合があります。「屋根修理の依頼予定がない」「わが家の屋根は壊れてないから大丈夫」といった家庭も注意が必要です。接触してきた業者に少しでも不審なポイントがあれば、点検や修理の申し出を断りましょう。
屋根修理の悪徳業者の特徴

屋根修理と称して近づいてくる悪徳業者には警戒が必要と理解しているとはいえ、どのようなケースで注意すべきか迷う方もいるでしょう。そこで悪徳業者の特徴を6つのポイントに分けて紹介します。次に挙げるような業者と出会ったら騙される可能性も考慮し、慎重な対応を心掛けましょう。
飛び込み営業で訪れる
まず気をつけたいのが、飛び込み営業で訪れる業者です。依頼していないのにアポイントなしで突然やってくる業者は、料金相場を調べる時間や家族と相談する時間を与えず、その場で家主にとって不利な契約を迫ってくる場合があります。「早く直したほうがいい」「このままだと雨漏りする」といった言葉で危機感を煽るのも悪徳業者の特徴です。
無料点検を勧めてくる
頼んでいないのに無料点検を勧めてくる業者には警戒が必要です。無料点検と耳にすると家主にメリットがあるように感じるでしょう。しかし、点検を装い本来は修理の必要がない箇所に傷をつけ高額な修理契約を結ぼうとする業者も紛れています。こうした手口は“点検商法”と呼ばれ、違法性がある行為です。断っても執拗に無料点検を勧めてくる業者には特に気をつけましょう。
メーカーの定期点検を装う
悪徳業者のなかには、ハウスメーカーや屋根材メーカーの定期点検を装い近づいてくる業者もいます。あたかも正規メーカーのように振る舞い家主の警戒心を解き、自然な流れで点検しようとするのが悪徳業者の手段です。先述した点検商法のように屋根を破損させる業者もいるため、騙されないよう見極めが重要となります。
大幅な値引きをする
屋根修理の見積りにおいて、大幅な値引きで気を引こうとするのも悪徳業者の特徴です。値引きはその場で契約に持ち込むためのひとつの手段で、一見安いように思える価格でも相場と比較すると高額だったり後から手数料や追加料金を請求されたりするケースがあります。特に「今なら安くなる」など契約を煽るような営業トークを繰り返す業者には注意が必要です。
火災保険を利用できると断言する
屋根修理の案内において「火災保険から修理費用が出る」と断言する場合も悪徳業者の可能性があります。火災保険から屋根の修理費用をまかなえるケースもあるものの、台風や大雪といった災害による破損が対象となるのが一般的です。経年劣化による不具合は通常の補償範囲に含まれません。意図せず火災保険の悪用や詐欺に巻き込まれるケースもあるため、安易に火災保険の利用を勧めてくる業者には注意が必要です。
見積もりの内容が不明瞭
悪徳業者が提示する見積りは、内容が不明瞭な傾向にあります。作業一式でいくら、といったように内容や単価が明確でない見積書は、相場より高い料金が設定されていても気付きにくいでしょう。見積書では以下のポイントを確認することが重要です。
屋根修理の悪徳業者がよく使う営業トーク
屋根修理に訪れた悪徳業者を見極めたいときは、営業トークも参考になります。悪徳業者の言い回しには似たような傾向があり、以下のような話題を振られたら注意が必要です。
- お宅の屋根が壊れていました
- 親方に言われて来ました
- 屋根の板金が浮いています
- 今すぐ修理しないと危険です
- ご挨拶に来ました
それぞれの営業トークについて業者側の意図を解説します。
お宅の屋根が壊れていました
アポイントなしで訪問してくる業者がよく使う口実に、「近くで工事してたけど、お宅の屋根壊れてましたよ」といった文言があります。狙って訪れたわけではなく“偶然にも不具合を見つけたから親切心で訪問した”といった状況をアピールする言葉ですが、実際は飛び込み営業の可能性があるため慎重な対応が必要です。
親方に言われて来ました
若手な風貌のスタッフが「親方に言われて屋根の破損を伝えに来ました」と訪れるケースもあります。話を聞くそぶりを見せると、実際に親方と思わしき人物が遅れて現れ、説得されるのが定石です。上役が登場するとかしこまる、信頼してしまう、といった人間の心理を利用して契約を迫ってきます。
屋根の板金が浮いています
悪徳業者の営業トークとして「屋根の板金が浮いています」「スレートが少し欠けています」といった言葉もよく使われます。経年劣化で屋根にこうした不具合が生じるケースは確かにありますが、通常は板金のゆがみやスレートの小さな破損などは地上から見えません。予測だけを頼りに押しかけてきたり、これらを口実に屋根に上がり隠れて危害を加えたり、無理やり修理に持ち込もうとする業者もいます。
今すぐ修理しないと危険です
「今すぐ修理しないと危険です」「修理しておかないといつ雨漏りが発生するか分かりません」といった言葉で家主の不安を煽り、その場で修理契約を取りつけようとする業者もいます。いかにも猶予がないように聞こえる言い回しですが、その時点で実際に雨漏りしていなければ慌てて修理する必要はありません。万が一、雨漏りに悩んでいたとしてもその場ですぐに契約せず、他の業者から見積もりを取り金額や施工内容を比較しましょう。そうすることで、屋根修理も悪徳業者に騙される危険を回避できます。
ご挨拶に来ました
「ご挨拶に来ました」と営業する気がないことをアピールして近寄ってくる業者もいます。しかし、話を聞いているうちに点検を案内されたり、キャンペーンをアピールされたり、いつのまにか契約の話にすり替えられたりする場合があるため注意が必要です。
屋根修理の悪徳業者に狙われやすい家の特徴
屋根修理を請け負う悪徳業者のターゲットとして特に狙われやすい家には、次のような特徴があります。
- 築30年以上経過している
- 高齢者世帯
それぞれについて、なぜ狙われやすいか理由を解説します。
築30年以上経過している家
築30年以上が経過した家は悪質な屋根修理業者に狙われやすい傾向があります。築年数が浅い家と比べると屋根材に経年劣化が見られ、住人の不安感や危機感を煽りやすいためです。また、築30年以上の家の住人は比較的高齢者が多く、悪徳業者にとって騙しやすいとも考えられます。
高齢者世帯
高齢者世帯が暮らす家をターゲットとする悪徳業者も多くいます。悪徳業者は知人や他の家族に相談しにくい環境で暮らす世帯や、説得しやすい高齢者の一人暮らしなどを特に好み、強引に修理契約を推し進めてくるのが特徴です。実際に悪徳業者に騙された経験を持つ高齢者は多くいます。
屋根修理の悪徳業者による被害に遭わないための対策と断り方

屋根の点検や修理の必要性を口実に契約を迫る悪徳業者にはどのように対応すべきでしょうか。ここからは、ずさんな工事や高額請求の被害に遭わないよう、個人レベルでできる対策を紹介します。しつこい悪徳業者を上手に撃退する言葉や言い回しも挙げていくので、断り方の参考にしてください。
飛び込み営業の業者を屋根に上げない
悪徳業者対策としてまず大切なのは、作業員を屋根に上がらせないことです。屋根に上がらせてしまうと、修理が必要と嘘をつかれたり、故意に屋根を傷つけられたり、地上から見えないところで不具合を指摘され修理契約に持ち込まれる可能性があります。「屋根を点検します」といった声かけにも毅然とした態度で断りを入れましょう。
名刺をもらって業者名を確認する
屋根の点検や修理で訪れたスタッフから名刺をもらうのも、悪徳業者の被害に遭わないための対策として有効です。修理業者の会社概要やスタッフの身元を確認し、信頼できる相手かどうか見極める材料としましょう。悪徳業者では「手持ちがない」「忘れた」などと理由をつけて名刺を渡そうとしないケースもあるため注意が必要です。契約までに猶予があれば公式ホームページも確認しておきましょう。
点検時の写真を見せてもらう
修理業者に屋根の点検を依頼する際は、実際の屋根の写真を撮影してもらいましょう。悪意を持つ業者の場合、他の家の破損した屋根の写真を証拠として提示して修理を勧めてくるケースもあるため、自宅の屋根と分かるよう撮影してもらい、破損箇所を慎重に観察するのがポイントです。写真撮影自体を断る業者は疑わしいでしょう。
すぐに契約しない
屋根修理は業者とすぐに契約を交わさないことも大切です。修理が必要と判断したら複数の業者から相見積もりを取り、工事内容や価格において納得できる業者を選びましょう。
修理の契約は一人で決めないことも重要です。家族や第三者に相談して総合的に判断しましょう。飛び込み営業の修理業者にその場で契約を迫られたら、「家族がいるときに改めて来てください」「検討してこちらから連絡します」と伝えて一度帰ってもらいます。断りたいときは「貸家のため決定権がありません」と伝えるのも有効です。
立ち去らない場合は警察に通報する
点検や修理の申し出を拒否しているのに立ち去らない、無理に契約を結ぼうとする、といった場合は警察に通報しましょう。実際に、わざと屋根を破損させて点検で不具合を見つけたように装い修理代金を受け取った悪質な業者が検挙された例もあります。自力で解決が難しいときは遠慮せずに警察や第三者に頼ることで詐欺に遭う確率を減らせるでしょう。
屋根修理の悪徳業者と契約してしまった場合の対処法
気をつけていたのに悪徳業者と契約してしまった、修理依頼した後に悪質な業者と判明した、といった場合は、以下の方法で対処可能です。
クーリング・オフに応じてもらえなかった場合や、業者との交渉に不安がある場合は消費生活センターへ連絡すると公正な立場からトラブルに対処してもらえます。消費者ホットライン(全国統一番号「188」)から相談可能です。実際に損害を受けた場合は警察や弁護士にも相談しましょう。
屋根修理の飛び込み営業には要注意!即決せず他の業者に相談を
家屋や屋根の修理を請け負うリフォーム業界には優良企業だけでなく悪徳業者もいるため、点検や修理の依頼先には注意が必要です。特に、アポイントなしで訪問する業者による悪質な行為が多数報告されています。悪徳業者の被害に遭わないためにも、屋根に上げない、その日のうちに契約を即決しない、を徹底してトラブルに巻き込まれないよう自衛しましょう。屋根修理業者の営業トークにも注目し、不審な点があれば一人で悩まず家族や他の業者へ相談するのがおすすめです。信頼できる依頼先をお探しなら、本サイト内に記載中の優良企業もぜひご検討ください。