屋根から雨漏りが発生している際、自力で応急処置をする方もいるかもしれません。しかし屋根に素人が上がるのは危険が伴うため、プロの業者へ雨漏りの点検や修理を依頼するのがおすすめです。ただし雨漏りの修理をどこに頼むべきか悩む方も多いのではないでしょうか。
ここでは雨漏り修理を依頼できる業者の種類や選び方、悪徳業者に騙されないためのポイントを紹介しています。大手ハウスメーカーや地元の工務店など、雨漏り修理の依頼先に悩む際の参考にしてください。
雨漏り修理を頼める業者の種類
ひとくちに屋根の雨漏り修理と言っても請け負っている業者が多数あるため、業者のランキングを見てもよく分からない方も多いのではないでしょうか。ここでは雨漏り修理を行っている業者について、それぞれの特徴を紹介します。
屋根修理の専門業者
屋根のトラブルに精通しているのが、屋根修理の専門業者です。リフォームや雨漏り修理の豊富な経験から、原因箇所が不明な雨漏りにも診断からしっかりと対応してくれます。診断から修理まで一貫して同じ業者が行うため、作業がスムーズであり費用が比較的安く済むことが多いのも特徴です。原因が不明な雨漏りは、屋根修理の専門業者へ相談すると良いでしょう。
ハウスメーカーや工務店
雨漏りが発生した際には、家の建設を依頼したハウスメーカーや工務店への相談をまず思いつくかもしれません。「建設したのだから、家のことを熟知しているのは当たり前」と感じるかもしれませんが、販売を主に行っているため、建設や修理など現場での作業は下請け業者へ依頼するところがほとんどです。
ただし新築住宅では10年未満であれば保証が付いているケースがあります。保証期間内であればハウスメーカーや工務店に雨漏りの修理を依頼することで、修理費用を抑えることができます。
リフォーム会社
家が老朽化してきた際に、頼りになるのがリフォーム会社です。屋根も経年劣化により損傷するため、雨漏り修理も対応してくれます。ただしハウスメーカーや工務店と同様に、下請け業者へ雨漏り修理を依頼する会社が多くあります。
古い家で外壁など雨漏り箇所以外にも修理を要する箇所があるような場合には、リフォーム会社へ一括して修理を依頼しても良いでしょう。ただし、住宅の美観を整えるなど、生活に困らないような施工も追加で提案される可能性があります。
板金工事業者
板金工事業者は、金属建材の工事を行う専門の業者です。金属製の屋根の場合は、板金工事業者でも修理が可能です。ただし屋根からの雨漏りが金属部分によるものかは、点検してみるまで分かりません。そのため雨漏りの原因箇所がはっきりと判明していないときは、総合的に屋根を修理できる他の業者へ依頼した方が良いでしょう。
瓦葺工事業者
瓦の葺き替えや修理を専門に行うのが瓦葺工事業者です。瓦屋根は専門知識と技術がないと修理が難しく、瓦屋根の住宅での雨漏りは瓦葺工事業者へ相談するのが良いでしょう。ただし原因が瓦の箇所でない場合は修理ができないため、点検後に他の業者へ依頼することになる可能性も。また雨漏りにより構造内部に劣化が生じていないかの点検や修理も、瓦葺工事業者以外の業者への依頼が必要です。
雨漏り修理の悪徳業者に要注意!

悪徳業者による詐欺の報告が後を絶ちません。「お金がない」と断っても、クレジットカード決済や借金をさせてまで契約する悪質な事例も報告されています。雨漏り修理で実際にあった事例や悪質業者の手口を知ることで、被害を回避しましょう。
実際にあった雨漏り修理のトラブル事例
雨漏り修理で実際にあったトラブル事例を紹介します。
事例1:千円のはずが20万円の工事に!?屋根工事の契約トラブル
「近所で工事をしているのであいさつに来た」と訪ねてきた男性から、「お宅の屋根の鬼瓦が傾いているのが気になっていた。隣の家に落ちると大変だ。今なら残っている漆くいを使って千円で直してあげる」と言われ、千円ですぐ直してもらえるなら、と修理をお願いした。
作業終了後「瓦が浮いている。このままだと雨漏りするので屋根全体を工事したほうがいい」と言われ、雨漏りしたら大変だと慌ててしまい、約20万円の工事の契約をした。しかし、冷静になってみると契約を急ぎすぎたような気がする。クーリング・オフしたい。(60歳代 男性)
引用元:国民生活センター
こちらの事例のように、突然訪問してきた業者から屋根の損傷を指摘されたり修理を提案されたりした場合は注意が必要です。現時点で雨漏りが発生していない場合は、修理を急ぐ必要はないため、落ち着いて検討しましょう。
事例2:台風:屋根の無料点検後、このまま放置すると雨漏りすると言われ高額な契約をさせられた
近所でリフォーム工事をしていた業者に、台風で自宅の屋根の一部がはがれたと話したら、点検は無料だと言うので自宅を見せた。業者が屋根裏に上がり、カメラで撮影した画像を見せて「早く工事をした方がいい。金額は300万円だ」と言う。
そんなに用意できないと言うと「このまま放置すると雨漏りする」と不安をあおられ、「応急処置なら100万円でいい」「お金がないなら借りればいい」と契約を急がされた。 (2015年2月受付 40歳代 男性 無職 千葉県)
引用元:国民生活センター
こちらの事例のように、契約を急かしてくる業者とその場で契約するのは禁物です。さらに無料で点検したり、はじめの提示額から修理費用を下げて応急処置を促したりする業者は詐欺の可能性が高いといえます。信頼できる業者か判断してから、契約を結ぶようにしましょう。
悪徳雨漏り修理業者に依頼することで発生するトラブル
悪徳業者に雨漏り修理を依頼した際のトラブルでは、高額請求と雨漏りの修繕ができていないことの2つが挙げられます。悪徳業者は家の大きさや外観から高額費用を請求できそうな家をターゲットにしています。不当な高額請求か見分けるために、屋根修理料金の相場を知っておくと安心です。
また、詳しく点検することなく目につく亀裂だけを修理する悪徳業者が存在します。修理後大雨が降るまで雨漏り修理が不十分だったことに気づきにくく、騙されやすい傾向にあるため注意しましょう。
悪徳雨漏り修理業者の手口とは?
悪徳雨漏り修理業者は、親切を装った上で不安を煽る手口を利用します。「ご近所の修理に来たのですが、外から見たところ屋根が少し剥がれているようですよ」など親切に屋根の不具合を教えてくれるため一見親切なように思えますが、注意が必要です。
警戒心を解いた後「このままだと屋根が飛ぶかもしれませんね」と不安を煽り、「今ならついでなので、千円で点検してみましょうか」とお得感を出してくるのがよく見られる手口になります。
失敗しない!信頼できる雨漏り修理業者の選び方

雨漏りが発生した際には焦る気持ちを抑えて、修理業者選びを慎重に行いましょう。雨漏りの修理業者の選び方のポイントを6点紹介します。
雨漏りの修理事例が豊富か
ホームページに「早い・安い・丁寧」など魅力的な言葉が書いてあっても、雨漏り修理の実力がある業者とは限りません。そのため雨漏り修理の実績を確認することが大事です。
まずは、ホームページに掲載している修理事例やお客様の声を参考にしましょう。また業者のホームページには良い事例しか載っていません。そのため他サイトで雨漏り修理屋さんの口コミも検索すると安心です。
念入りな点検や調査を行ってくれるか
雨漏り修理では、修理作業よりも点検や調査が重要といわれています。それは破損箇所の見落としがあると、結局雨漏りが続くことに起因しています。
そのため一目で分かる雨漏りの原因箇所以外も、屋根全体を点検や調査してくれる業者を選ぶことが重要です。また念入りな点検後に、修理が必要な箇所の画像を見せてもらってから修理を依頼するようにしましょう。
見積書や契約書類がわかりやすいか
作業前には見積書や契約書類を作成してもらい、納得して依頼することが大事です。提示された見積書に不安がある場合は、住宅リフォーム・粉砕支援センターが行う「リフォーム見積もりチェックサービス」で相談することも可能です。
見積書や契約書類の内容に納得できなかったり説明が明確でなかったりする場合は、他の業者にも見積もりを依頼すると良いでしょう。
建設業許可を取得しているか
建設工事を請け負う業者は、国土交通大臣または都道府県知事から建設業の許可が必要であることが建設業法により定められています。建設業許可を保有している業者は国の要件を満たした業者であり、安心して修理を依頼できる証です。
ただし屋根の雨漏り修理など軽微な建設工事のみを行う業者は、建設業許可を取得しなくても営業を行うことができます。そのような業者の場合は、民間の「雨漏り診断士」や「屋根診断士」などの資格を保有しているか確認しましょう。
保証内容が充実しているか
雨漏り修理を行ったとしても、見落としや修理不十分により雨漏りが続くこともあります。悪徳業者でなくてもこのような事例は、どうしても起こり得ることです。
もし修理工事に欠陥があった場合に備え、保証内容が充実している雨漏り修理業者を選ぶのがおすすめです。その保証のひとつに、リフォーム瑕疵(かし)保険があります。事業者がこの保険に加入している場合、リフォーム工事中または工事後に建築士である第三者検査員により現場検査が行われ、欠陥が見つかった際には無償で修理が行われます。
迅速に対応してくれるか
既に雨漏りが発生している場合は、早急に修理または応急処置を頼みたいことでしょう。放置することでさらに雨漏りがひどくなったり建物の構造内部が劣化したりするリスクがある雨漏りでは、応急処置に即日対応してくれる業者を選ぶことも大切です。問い合わせた業者の訪問が先になるようであれば、他の業者への依頼を検討しましょう。
雨漏り修理は大手と地域密着型業者のどちらがおすすめ?
雨漏り修理を依頼しようとインターネットで検索すると、たくさんの業者がヒットします。ハウスメーカーや工務店、板金業者、屋根修理専門業者など、さまざまな業者から選ぶのは大変かもしれません。
ここでは大手と地域密着型の2つに分け、それぞれのメリットとデメリットを紹介するので業者選びの参考にしてください。
大手業者の特徴
雨漏り修理業者ランキングなどに名を連ねる大手のハウスメーカーや屋根修理業者。有名だからといって安易に修理を依頼するのは禁物です。大手業者のメリットとデメリットを知って、自分で信頼できるか判断することが大切です。
大手業者のメリット
大手のハウスメーカーやリフォーム会社は知名度があり、安心感があります。依頼を検討する際に、知名度があることで口コミをインターネットで検索しやすいのもメリットです。悪い口コミや評判が広まると、その地域だけなく全国規模で影響を受けるため、問い合わせへの対応が丁寧な業者が多い傾向にあります。
大手業者のデメリット
大手業者の場合、雨漏り修理のような修理工事は下請け会社へ依頼することがほとんどです。そのため仲介手数料が加算され、修理費用が高くなりがちです。
依頼を受ける会社と現場の業者が異なることで、依頼主の希望が的確に伝わりにくい可能性もあります。
地域密着型業者の特徴
家から近くの地域密着型の工務店や屋根修理業者にも、雨漏り修理を依頼することができます。大手業者とは異なるメリットとデメリットがあるので、それらについて紹介していきましょう。
地域密着型業者のメリット
地域密着型の業者は店舗から近い範囲に対応エリアを限定しているため、迅速に対応してくれます。また仲介手数料がかからず交通費を抑えられることで、修理費用が比較的安く済みます。
地域密着型業者のデメリット
地域密着型の業者では小規模の業者が多く、その中には悪徳業者が紛れていることもあります。良心的な業者かどうか見分けるためには、口コミを検索したり資格を確認したりすると良いでしょう。
インターネットでは情報が少なく見分けが難しい際には、複数の業者から見積もりをとり、工事内容や費用、担当者の対応から総合的に判断しましょう。
雨漏り修理は地域に根付いた業者に依頼しよう
雨漏り修理を行っている業者は、リフォーム会社やハウスメーカー、屋根修理専門業者などさまざまです。業者を選ぶ際には、修理実績や保有資格、保障内容などから総合的に判断すると良いでしょう。
雨漏りのように迅速な対応を必要とする修理では、近くの地域密着型の業者への依頼がおすすめです。当サイトでは実績と技術がある業者を一覧で紹介しています。地域ごとに検索できるので、雨漏り修理をどこに頼むかお悩みの方はぜひ活用してみてください。