屋根の防水シートの寿命は何年くらい?陸屋根の場合も解説

TOP  /  お役立ちコラム  /  屋根修理  / 

屋根の防水シートの寿命は何年くらい?陸屋根の場合も解説

屋根の防水シートの寿命は何年くらい?陸屋根の場合も解説

https://minnano-rescue.jp/column/roof-repair/roofrepair-article-43/

更新日

2024.11.05

公開日

2024.11.26

屋根の防水シートの寿命は何年くらい?陸屋根の場合も解説

目次

屋根の防水シートは、雨漏りを防ぐために欠かせないもので、その耐用年数を理解することが住宅維持には重要です。一般的な防水シートの寿命は10~20年程度ですが、屋根の形状や環境によって異なります。特に平坦な「陸屋根」は雨水がたまりやすく、防水性能が落ちると雨漏りのリスクが高まります。本記事では、防水シートの寿命や交換のポイントを陸屋根の場合も含めて詳しく解説します。

屋根の基本構造と防水シートの役割

屋根の防水シートの役割を知るためには、基本構造を理解することが不可欠です。一般的に屋根は三層構造でできていて、外から見える瓦などの屋根材、防水シート、そして野地板の三層で構成されています。

まず、一層目となる屋根の最も外側にあるのが瓦やストレートなどの屋根材です。この屋根材は、建物を雨風から直接的に防ぐ役割を担っています。

二層目の防水シートは、屋根材の下に配置されています。屋根材の隙間から浸入してきた水分を的確にブロックすることによって、雨水の浸入を防ぐ役割を担っています。

一番内側にある三層目は野地板です。野地板は木製のベース板として屋根全体の土台という働きを担っていますが、一層目と二層目とは違い防水機能は一切ありません。

二層目の防水シートは、建物を雨から守る最後の砦として大事な役割を担っています。そのため、この防水シートが傷んでいると屋根や建物の腐敗、劣化につながる大事な部分です。建物に合った防水シートを選定することはとても重要になります。

屋根の防水シートの寿命は何年くらい?

屋根の防水シート(ルーフィング材)は、屋根内部を湿気や水漏れから守るための重要な役割を果たします。

この防水シートの寿命は種類によって異なりますが、一般的なアスファルトルーフィングは約10~15年、高分子系ルーフィングは約15年となっています。

ほかにも、改質アスファルトルーフィング、基材不織布ルーフィング、粘着ルーフィングなどさまざまな種類があり、これらの寿命は約30年と言われています。また、透湿ルーフィングなどの耐久性の高いタイプでは、寿命は30~50年ほどとされています。

寿命が近づくと、劣化によって水分が浸入し、雨漏りの原因となるリスクが増加します。適切なシートを選ぶだけでなく、定期的なメンテナンスが必要です。劣化が進む前の交換が大切で、屋根材や環境に合わせた選択が寿命を延ばすポイントになります。

寿命が近い屋根防水シートの劣化症状とは?

防水シートには、耐用年数が設定されていますが、あくまで目安であることを忘れてはいけません。劣化が進むと雨漏りや建物全体のダメージにつながるため、早めの確認と交換が大切です。防水シートの劣化は、さまざまな症状としてあらわれます。その中でも「ふくれ」、「破れ」、「ひび割れ」、「変色」、「カビや藻の発生」という5種類は、緊急性の高い劣化症状です。

ふくれは、防水シートの上側に水が入り込み、その水の影響でふくれている状態です。正常な状態では防げている水が防水シートの下まで入り込んでいる状態ですので、非常に危険な状態です。

破れは、防水シートが破れている状態です。防水シートが破れていると、その破れから水が建物内部に浸入します。すでに防水シートの機能が失われている状態ですので、早急に交換が必要になります。

ひび割れは、防水シートに小さなひび割れが生じている状態です。破れよりは劣化の程度は軽くなっているのですが、ひび割れの状態は破れに移行する寸前でもあります。放置すると大きなトラブルに発展する可能性があります。

変色は、紫外線によって防水シートの色が変わっている状態です。変色も防水性能が著しく低下しているサインとなっているため、早急に交換する必要があります。

カビや藻が発生している状態は、防水シート付近にカビや藻が発生するほどの湿気がこもりやすい環境となっているということです。通常はカビや藻が発生するような状況ではありませんので、このような状況が発生しているということは、防水機能が劣化しているサインと言えるのです。

【陸屋根の場合】防水工事の種類と特徴

「陸屋根(りくやね)」とは、勾配がほとんどなく平坦な屋根のことを指します。一般的にビルや商業施設、マンションなどで採用され、屋上を活用するためのスペースとして使われることが多いです。勾配がないために水はけが悪く、防水対策が重要になりますが、メンテナンスをしっかり行えば、屋上庭園やバルコニーなど多様な用途にも利用できるメリットがあります。

陸屋根の防水工事を依頼する際には、シート防水だけでなく、アスファルト防水やウレタン防水などと比較した上で選ぶことができます。この3つの工法は、費用だけでなく耐用年数や特徴などが大きく異なっていますので、建物の状況や個人の要望、そして費用など全ての条件を加味した上で、最も適している工法を選ぶようにしましょう。

1.シート防水

シート防水は、屋上の下地として塩化ビニールやゴム製のシートを貼り付けるシート防水です。今回紹介する3つの工法の中では、とてもシンプルな施工となっているため工期が短く費用も安いのが特徴です。シート防水の耐用年数は10年から15年となっています。

2.アスファルト防水

アスファルト防水は、屋根の下地にアスファルトを浸透させた防水シートを重ね、その上からコンクリートで押さえ込む工法になっていて、3つの工法の中で最も高い防水効果を発揮します。耐用年数は15年から30年と最も長持ちします。

3.ウレタン防水

ウレタン防水は、屋上の下地に防水剤を直接塗り重ねる工法です。デザイン性の高い注文住宅に採用されているような、複雑な形状の屋上にも対応することのできる柔軟性を持っています。ただし、耐久性に少々難があるため、トップコートを定期的に塗り替える必要があります。耐用年数は8年から10年となっていて、3つの工法の中で最も短い耐用年数となっています。

【陸屋根の場合】防水シートの寿命

陸屋根のシート防水は、平坦な屋根に敷く防水シートを用いた防水工法です。主にゴムシートや塩ビシートなどの耐久性の高い素材が使用され、屋根全体に接着または固定することで水の浸入を防ぎます。

シート防水は、高い防水機能を維持するために、劣化する前にメンテナンスをする必要があります。メンテナンスするタイミングは、耐用年数に準じたものになりますので、素材ごとの耐用年数を確認しておく必要があります。

シート防水の耐用年数は工法や素材によって大きな差があります。一般的なゴムシートの耐用年数が10~15年程度であるのに対し塩ビシートは約10~20年が耐用年数と言われています。

陸屋根は、雨水だけでなく太陽光からも大きな影響を受けます。建物の環境や異常気象なども考慮して定期的に点検を行い、破損部分の補修を行っていきましょう。防水シートの状態を定期的に確認し、劣化を見逃さないことが建物自体の寿命を延ばす結果につながります。

屋根の防水シートの寿命を知って雨漏りが発生する前に交換しよう

防水シートの寿命を知り、適切なタイミングで交換することで、大切な住宅を雨漏りから守り、修理費用の負担も軽減できます。シートの劣化は見えにくいですが、定期点検やメンテナンスを怠らず、屋根の状態をしっかり把握しましょう。長く安心して住み続けるためにも、雨漏りが発生する前の予防が大切です。

COLUMN

関連コラム

屋根・瓦の修理詐欺の手口とは?詐欺被害にあわないための対策を紹介

更新日

2024.11.05

屋根・瓦の修理詐欺の手口とは?詐欺被害にあわないための対策を紹介

無料点検を装って、無理やり屋根や瓦の修理の契約をさせる詐欺が増加しています。こういった詐欺被害にあわないためには、知識を蓄えておくことが重要です。こちらでは、屋根や瓦の修理で詐欺被害にあわないための対策を解説しつつ、悪徳業者の見分け方も紹介しています。 屋根や瓦の修理で急増している詐欺の手口とは? 屋根修理詐欺の被害を防ぐためには、詐欺業者が使う代表的な手口を理解することが重要です。...

詳細を見る
屋根リフォーム詐欺が急増中!事例や上手な断り方などを紹介

更新日

2024.11.05

屋根リフォーム詐欺が急増中!事例や上手な断り方などを紹介

令和になっても屋根リフォームを巡る詐欺被害が増加し社会問題にまで発展しています。本記事では、代表的な詐欺手口や回避方法、また被害に遭った際の対処法について、分かりやすく解説します。安心して屋根修理を依頼できるよう、信頼できる業者の見極め方も併せてご紹介します。 屋根リフォーム詐欺に関する事例紹介 屋根リフォーム詐欺には手口が複雑化しています。その中でも最近の主流が劇場型と言われる詐欺...

詳細を見る
スレート屋根の塗装費用を徹底解説!安くするコツや業者選びのポイントも紹介

更新日

2024.10.04

スレート屋根の塗装費用を徹底解説!安くするコツや業者選びのポイントも紹介

スレート屋根は、スレートと呼ばれる屋根材を使用した耐久性の高い屋根です。多くの住宅で採用されていますが、長年の風雨にさらされることで徐々に劣化し、塗装の剥がれやひび割れなどが生じることがあります。そのため、定期的に塗装を施し、適切なメンテナンスを行うことが必要です。ここでは、スレート屋根塗装の費用相場や費用に影響を与える要素、そして費用を安く抑えるコツなど、気になる情報を詳しく解説していきます。...

詳細を見る
屋根塗装は何年ごとに行う?屋根材別の耐用年数と塗り替え時期の目安を紹介

更新日

2024.10.04

屋根塗装は何年ごとに行う?屋根材別の耐用年数と塗り替え時期の目安を紹介

屋根の塗装は年月の経過とともに劣化し、保護機能が低下していきます。また、ひび割れやサビの発生、色褪せなどによってダメージが蓄積するケースもあります。そのため、屋根塗装は住宅の寿命を延ばすために大切な工事であり、こうした屋根塗装の効果を最大限に引き出すためには、適切なタイミングで塗り替えを行わなくてはなりません。この記事では、屋根塗装の塗り替え時期の見極め方や、信頼できる業者を選ぶポイントなど、屋...

詳細を見る
屋根の苔は除去剤を使用してDIYできる?徹底的な対策方法まとめ

更新日

2024.03.29

屋根の苔は除去剤を使用してDIYできる?徹底的な対策方法まとめ

苔が生えた屋根を放置すると、外観を損なうだけでなく雨漏りなどの被害が出る可能性があります。しかし屋根の苔除去は高所作業のため、転落などのリスクがあり危険です。 この記事では屋根の苔が気になる方に向けて、屋根の苔をDIYで除去する方法と専門業者に依頼した場合のメリットや費用について解説します。苔を放置した場合の危険性や苔が発生する原因、苔を生えにくくする対処法についても紹介しているので、まだ...

詳細を見る
【瓦屋根の地震対策】地震に弱いと言われる理由や耐震性を向上させる防災瓦とは?

更新日

2024.03.29

【瓦屋根の地震対策】地震に弱いと言われる理由や耐震性を向上させる防災瓦とは?

日本家屋の代表的な屋根材である瓦屋根は、美しい見た目や耐久性の高さが魅力です。しかしその一方で「瓦屋根は地震に弱いのでは……」と耐震性を不安視する声も見られます。そこで本記事では瓦屋根の地震対策について詳しく解説。地震に弱いと言われる理由や地震に強いとされている最新の防災瓦についてもあわせて紹介します。 現在瓦屋根の家にお住まいで耐震性に不安に感じている方、瓦屋根を使った新築やリフォームを...

詳細を見る
雨漏りの初期症状と見逃せないサインとは?修理業者に依頼する際の費用目安も紹介

更新日

2024.03.29

雨漏りの初期症状と見逃せないサインとは?修理業者に依頼する際の費用目安も紹介

雨漏りは、住宅にとって深刻な被害をもたらす危険性があるものの早期発見することで、被害を最小限に抑えられます。そのためにも「壁紙が少し浮いている」「天井にシミがある」など小さなサインを見逃さないようにしましょう。 この記事では、雨漏りの初期症状を発生場所別に詳しく解説しています。雨漏り修理を業者に依頼した場合の発生場所別の施工内容と費用目安、信頼できる業者を選ぶポイントも紹介しています。雨漏...

詳細を見る

サービス提供会社

会社名 ジャパンライフサービス株式会社
所在地 神奈川県横浜市中区桜木町一丁目1番7号ヒューリックみなとみらい10階

「都道府県」から探す